MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE |
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

MONO商店入口

WEBショップ「MONO商店」は小さなお店です
音楽が大好きなあなたへ
もっと音楽を楽しむための
ささやかなMONO(モノ)をお届けします
>>上の画像をクリックしてください<<

| - | - | - | posted by スポンサードリンク
網走刑務所で朝食を 13:38

トルーマン・カポーティ著、村上春樹訳、「ティファニーで朝食を」を読んでいる。
読みながら思い浮かべるホリー・ゴライトリーのビジュアルイメージは、オードリー・ヘップバーンである。
そしてホリー・ゴライトリーのしゃべる声は、ヘップバーンの吹き替え声優、池田昌子である。
そう、あまりにも映画版「ティファニーで朝食を」の印象が強すぎるのだ。

あとがきで村上春樹はこう語っている。


「ティファニーで朝食を」というタイトルを耳にして、多くの人々が思い浮かべるのは、映画に主演したオードリー・ヘップバーンの顔と、ジヴァンシーのシックな黒いドレスと、ヘンリー・マンシー二の作曲した印象的なサウンドトラックではあるまいか。

そして、「これは小説にとっていささか迷惑なことかもしれない」と続ける。


作者トルーマン・カポーティは明らかにホリー・ゴライトリーをオードリー・ヘップバーンのようなタイプの女性としては設定していないからだ。カポーティはヘップバーンが映画に主演すると聞いて、少なからず不快感を表したと伝えられている。おそらくホリーの持っている型破りの奔放さや、性的解放性、潔いいかがわしさみたいなところが、この女優には本来備わっていないと思ったのだろう。
(中略)
映画と比較してとやかく言うのはもうやめよう。ただ僕が言いたいのは、できることなら映画からはなるべく離れたところで、この物語を読んで楽しんでいただきたいということである。


なるほど、村上氏の言いたいことはわかった。
できることなら私もそのように読みたい。
しかし、難しい。


彼女はサングラスをかけたまま、机の上に書籍を砦のように積み上げていた。そしてそれを片っ端から読み飛ばしていった。時折あるページの上に視線がとどまったが、その眉間にはしわが寄せられていた。まるで上下が逆さまに印刷された本を読んでいるみたいに見える。彼女は鉛筆を紙の上にかざしていた。そこに書かれているものにとくに気持ちが引かれている風でもなかったが、それでも折に触れて彼女は妙に念入りに何かを紙に書きつけた。

例えばこんなシーンを読んでみると、おおぶりのサングラスをかけて頭にスカーフを巻き、トレンチコートなんかを羽織ったヘップバーンが浮かんでしまう。
これはどうにも仕方がない。
なので、無理にヘップバーンから離れよう離れようとして読み進めることはもう諦めた。

でもなあ…(笑)


ご覧の通り、この本にはある団体の蔵書票が貼り付けられている。
よくみればなんと、網走刑務所と書いてある。
よりによってこの本は網走刑務所からやって来たのである。
ではどのようにして網走刑務所から持ち出されたのだろうか、という疑問がうかぶ。

蔵書票の下半分、「廃棄・宅下げ」欄に何らかの記入があれば問題ないのだろうが、あいにくそこは空欄のままである。
かつて網走刑務所は「日本で一番脱獄が困難な刑務所」といわれ、犯罪者に恐れられたそうだ。
現在は容易なのだろうか。
まさか(笑)。

しかし「網走刑務所」と村上春樹訳「ティファニーで朝食を」とは妙な取り合わせである。
イメージとしては対極にあるといって間違いないだろう。
網走刑務所には女性も収容されている、ということなら少し理解しやすくなるのだが、どうだろう。

私はこの本に網走刑務所の蔵書票が貼り付けられていたから買ったのである。
あるいはこの蔵書票はいたづらなのだろうか?


JUGEMテーマ:気になる書籍
MONO商店入口

WEBショップ「MONO商店」は小さなお店です
音楽が大好きなあなたへ
もっと音楽を楽しむための
ささやかなMONO(モノ)をお届けします
>>上の画像をクリックしてください<<

| BOOKS & MAGAZINES | comments(0) | trackbacks(0) | posted by mono-mono
何にもしないで生きていらんねぇ 08:53

ECDの「何にもしないで生きていらんねぇ」を読んだ。
ECDとは、日本のヒップ・ホップ黎明期から活動を続けるラッパーだ。
この本を読んで、音楽を聴きだした頃の衝動やいろんな想いがこみ上げてきた。
なつかしかったり、ハっとしたり、そうそう私はロックにこんなことを期待していたんだ、とかいろいろ。
かつて私の中にあって今ではすっかり忘れてしまっていたなにか、が刺激されたようだ。

ECDは徹底的な個人主義者で、徹底的に反権力である。
凄い。
格好良い。

でも、人のことを、「凄い」「格好良い」なんて羨んでばかりいられない。
そんなことを痛烈に感じてしまった。
私だって「格好良く」なりたい。
格好良く生きるには、何かと正面から闘わなきゃいけないんだ、きっと。


「何にもしないで生きていらんねぇ」の、こんな言葉に私はグッときた。


僕は今でも週に2回はレコード屋に行く。中一の頃からずっとだからもう35年になる。それだけレコード屋に通いつめていると、中古盤のエサ箱を漁っていても、見たことのないレコードに出会うことはまれだ。知らず知らずのうちにジャケットを記憶してしまったレコードは膨大な数にのぼる。そのほとんどを僕はまだ聴いていない。悲しいことにそんな聴いたことはないけれど見たことはあるレコードは、目にしたり手に取ったりする機会が増えれば増えるほど実際に聴いてみようという興味は薄れてゆく。ジャケも内容も未知のレコードのほうが冒険して買ってみようという気になる。

自分が好きだったジャンルの音楽をある日聴かなくなる、ということがある。時には聴いていたことを自分の恥部のように隠してしまうこともある。そういう場合、聴かなくなったのも人目を気にしてのことだったりする。そのジャンルの音楽に飽きたわけでも嫌いになったわけでもない。そのジャンルの音楽を聴いていることを公言できなくなるのだ。悲しい話である。(中略)その頃を境に僕はヘヴィ・メタルのレコードを買わなくなった。

「こうしちゃいれらない!」。これが初期衝動の出発点だとすれば、76年〜77年にかけて、セックス・ピストルズは世界中の若者をそんな気分にさせてしまった。そしてピストルズに触発された彼ら彼女達は、楽器の弾き方を覚えるのも時間が惜しいとばかりにとにかくヘタでもいいから音を出そうとした。変な話、ピストルズはそこそこ上手いバンドだ。だから、彼ら彼女達はピストルズのコピーすらしようとしなかったし、できもしなかっただろう。そんなやぶれかぶれなバンド達が世界中に産まれていると想像するといてもたってもいられない気分だった。まぁ、ロンドンやニューヨークから東京に届く音は一応、それなりの商品として成立するものにはなっていた。とにかくヘタでどうしようもないというウワサだったサブウェイ・セクトやスリッツも届いた音楽はマトモな音楽に聞こえた。僕はもっとヒドい物が聞きたかった。

もはやTV全体がなにかしら隠された意味を持つ政府公報にしか見えない。というか、僕はもう、TVをそんな風にしか観れなくなってしまった。逆に言えば、TVを観ていると権力が何をしたいのか実によくわかる。その手に乗るもんか、と思うのである。

僕は最近よく目にする「反貧困」というスローガンを支持しない。僕は世間に流布される勝ち組だけが幸福で負け組はひとり残らず不幸だという迷信を信じない。でっちあげられた貧困への恐怖は、人々を必要以上に働かせ、必要以上に消費させるだけだ。最低限の生活の中に幸福を求めようとする者がことごとく『蟹工船』のような過酷な環境に追いやられるわけではない。それは今も昔も変わらないと思う。貧乏人が増えて困るのは、そのために税収が減る支配する側の人間だ。「反貧困」は支配者にとってこそ、都合のよい言葉なのだ。僕たちは貧困を手放すべきではない。

僕はガキと不良が大嫌いだ。何をしても世の中から大目に見てもらって当然だと思っている。それがガキだ。大人になってもガキなのが不良だ。そしてあいつらがヤンチャするのは大目に見てもらえる間だけだ。二十歳になったらまともになるとか言って、ちゃっかり、卒業しやがる。まれに卒業しないのがいて、そういうのはヤクザや芸能人や右翼になる。ヤクザも芸能人も右翼も嫌いだ。なんだかんだ言っても権力とうまくやるからだ。
「ロックは不良の音楽だ」などと言われる。大間違いだ。不良=ヤンキーは、いつの時代も多数派であり、世の中の主流で強者である。つい、この間も、76年〜77年のロンドンのパンクスを日本の暴走族みたいなものだなんてことを書いていた人がいたがまったく違うと思う。日本でパンクに呼応したのは暴走族に代表される、ヤンキー層=不良ではなかった。ロンドンのことは知らないが、日本に関してはそう断言できる。(中略)
「不良じゃなくて不良品」。イルドーザー・阿部周平の名言である。そう、パンクスは不良じゃなくて不良品なのだ。だから二十歳になったからって、卒業なんかしない。マトモになりたくてもその能力がない。

音楽ですら、それが金になる、つまり、食うためにする価値のあることになってしまうと、労働として、マジメにツマらなくやらなければイケナイかのように思わされてしまうことがある。まだ金にならないうちからでも、それで食うことを目指しただけでも、もうそこで、音楽は労働に姿を変えてしまう。練習スタヂオでそんなバンドを見かけることがある。全員イレズミだらけなのに妙に規律正しくて、上下関係なんかもキビしそうで…まあそれは想像でしかないか、いや、そうでもない。実際にメンバーがキビしく叱る声を聞いたこともある。とにかく、全員シカメっ面をしていてちっとも楽しそうじゃない。悲壮感だけが頼りなのだろうか。大きなお世話かもしれないが楽しくないんだったら音楽なんてやめてしまえと思う。(中略)確かに現実にはどうやっても苦痛にしか感じられない仕事、作業、労働というのはある。しかし、なにもよりによって音楽をそんなものにすることはないだろうと強く思う。



あらためて抜き出したらけっこうな分量になってしまった(笑)。
そのくらいドカンときた本だった。








JUGEMテーマ:気になる書籍
MONO商店入口

WEBショップ「MONO商店」は小さなお店です
音楽が大好きなあなたへ
もっと音楽を楽しむための
ささやかなMONO(モノ)をお届けします
>>上の画像をクリックしてください<<

| BOOKS & MAGAZINES | comments(2) | trackbacks(0) | posted by mono-mono
最近買った古い雑誌 09:47

渋谷古書センターで古いレコードコレクターズを三冊購入。
左から右へご紹介。

?86年7月号 サーフィン/ホット・ロッド特集号
?86年9月号 ガール・グループス ボサ・ノーヴァ 二大特集号
?98年6月号 ボブ・ディラン&ザ・バンド/ベースメント・テープス特集号

?では、大瀧詠一氏と山下達郎氏のサーフィン/ホット・ロッドにまつわる対談が読める。
?では、長門芳郎氏と小西康陽氏のガール・グループスにまつわる対談が読めるし、「デイヴィッド・ストーン・マーチンとその業績」というジャズ黄金期にジャケットイラストを多数手がけたアーティストの記事が嬉しい。
?は、説明不要のボブ・ディラン&ザ・バンド/ベースメント・テープスである。
鈴木カツさんによる、ベースメント・テープスと「アンソロジー・オブ・アメリカン・フォーク・ミュージック」の関係にまつわる記事も読める。

しかしほんと最近新しい雑誌を買っていない。
20代30代くらいをターゲットとした雑誌のことだ。
かつて、雑誌がカタログに成り下がった、などと揶揄された頃があったようだ。
しかしその象徴であったポパイやブルータスなどをいま読むとその素晴らしさに驚く。
そこには志しがあり主張がある。
なにより文化の香りがする。
いまのある種の雑誌を書店で眺めていると内容の薄さに愕然とする。
これこそがカタログであり、無料配布されているきちんと作られたカタログのほうが内容は濃いではないか、と。

いやいやそんな話をするつもりではなかった。
古いレコードコレクターズを三冊買った、という話だった。
ずっしりと読みごたえのある三冊である。
こんな勉強はとても楽しい、とそんなことをこの歳になって思うのであった。


そしてこちらは最近のお気に入り曲の紹介。
HALCALI 『今日の私はキゲンがいい』
ハルカリはずっと気になる存在。
ご近所出身らしいし(笑)。
目黒出身を売りにするならもっと地元密着で活動すれば良いのに。
中目や大鳥神社などのお祭りや祐天寺の盆踊り、さんま祭りとか活動の場はいろいろあるじゃないか、と少し思う。

二人はなにげにコンスタントに活動している。
この曲はCMで聴いてすぐノックアウトされた。
フォークロック調の素敵な新曲だ。
最高におかしいヴィデオクリップなので皆様も是非!






JUGEMテーマ:No Music, No Life


MONO商店入口

WEBショップ「MONO商店」は小さなお店です
音楽が大好きなあなたへ
もっと音楽を楽しむための
ささやかなMONO(モノ)をお届けします
>>上の画像をクリックしてください<<

| BOOKS & MAGAZINES | comments(6) | trackbacks(0) | posted by mono-mono
世にも素晴らしい「老人と海」 10:35

昨日は五反田の南部古書会館へ行った。
アートブックバザールという古書イベントをチェックするためだ。
家から五反田へは自転車で約二十分。
ゴールデンウィークの初日はこうでなくっちゃ、という良い天気。
自転車を走らせていると暑いくらいだった。

今回のアートブックバザールで見つけたのが写真の「老人と海」。
新潮文庫版。
なんの変哲も無い文庫本に見えることだろう。
あるいは少し変わったところにお気づきかもしれない。

文庫本なのに箱に入っていたのである。
そして本体は本革で製本されている!
おそらくは装丁が趣味の方の蔵書だったのだろう。
とても丁寧に本革で製本されている。
製本部分だけ見れば大変に美しい。
しかし革の上にもとの文庫本のカバーや表紙が貼付けられている。
意匠のもっていきかた次第ではもっと美しくなったことだろう。
もとの文庫の装丁をいかそうとした気持ちは分からないでもない。
しかしこの見た目の仕上がりは面白くはあっても、素敵とは言い難い。

そのためだろう床置きの段ボールに革製本された文庫本がどっさり詰め込まれ一冊二百円だった。
しかもラインナップは20年くらい前のベストセラーやミステリー。
これでは値段がつかないのも当然であろう。

いくら立派な皮で丁寧に装丁されていても全体にとっても残念なカンジが漂う。
私としてはこの装丁の素晴らしさから一冊何か欲しいと思った。
がさごそと箱をあさってこのヘミングウェイを一冊探し出した。
世にも素晴らしい「老人と海」である。

この本の持ち主はきっと装丁を楽しんだにすぎず、売るためとか価値を高めようとしたのではないのだろう。
その純粋な想いが素晴らしいではないか。





JUGEMテーマ:No Music, No Life
MONO商店入口

WEBショップ「MONO商店」は小さなお店です
音楽が大好きなあなたへ
もっと音楽を楽しむための
ささやかなMONO(モノ)をお届けします
>>上の画像をクリックしてください<<

| BOOKS & MAGAZINES | comments(2) | trackbacks(0) | posted by mono-mono
いい旅を、と誰もが言った 18:20

ずっと昔、大学生の頃、私は一人で旅をした。
最初は、沖縄本島へ一週間。
夏休みのリゾート地を大勢の観光客の横目に一人で旅をするのはすこし居心地が悪かった。
好きで一人旅をしているのに、そのことに自信が持てなかったのだろう。
地元のおじさんやおばさんはやさしくて車に乗せてくれたりビールをおごってくれたりとあたたかかった。

次に鉄道でヨーロッパを五週間旅行した。
パリからぐるりと鉄道でヨーロッパをまわった。
フランス、スペイン、イタリア、オーストリア、オランダ。
フェリーでドーバー海峡を渡りイギリスから帰るという旅だった。
この旅でヨーロッパの広さと文化の多様性を体感し、ヨーロッパとはなるほどこんなカンジの場所かという実感が私の中に取り込まれた。

そしてタイへ8週間。
北から南まで、山の中から街から海まで、鉄道とバスを使いぐるっとまわった。
旅のあいだ中、食事のたびに香草をことわり続けたのが実に思い出深い。
そして街ごとに出会う人がみな印象的だった。
行く先々で同年代の友だちが出来た。
友だちになった彼らの家族にも、とても親切にしてもらった。
食べてけ食べてけと、家に招かれてよくご飯をごちそうになった。
食堂のとなりのテーブルに座っただけの方々にごちそうになることも一二度ではなかった。
当時の私はカリカリに痩せていたのだが、きっとそれだけが理由ではないだろう。
タイではパスポートやトラベラーズチェックを盗まれるというひどい目にもあったが、それはまたべつの話。
だって犯人はおそらく欧米人だから。
タイの人にはさまざまに助けられた。
とても気持ちの良い思い出の地だ。

人生は、旅に例えられる。
晴れの日も雨の日もある一人旅である、と。
私たちは人生という旅の途中で、さまざまな人と出会う。
楽しい人もいる、親切な人もいる。
出会うのは素敵な人ばかりではない。
すれ違うだけの人やぶつかってくる人もいる。
冷たい人、迷惑な人、二度と会いたくない人もいる。

気心の通じた相手と並んで旅する時間がある。
しばらくの間、楽しい日々が続く。
しかしそれぞれの目的地は違う。
別れのときがやってくる。
そのとき、私たちはお互いの幸運を祈り道を分かれる。
それぞれの道をまた進んでゆくのだ。
「またいつか会おう」
「いい旅を!」
出会い、そして別れ。
旅はその繰り返しなのだろう。

写真は、ようやく入手する事が出来た「片岡義男 いい旅を、と誰もが言った」。
片岡義男の単行本はかなり入手困難である。
決して高いわけではないが、とにかく見つからない。
分かる人は分かってるんだよなあ、きっと。





JUGEMテーマ:日々のくらし
MONO商店入口

WEBショップ「MONO商店」は小さなお店です
音楽が大好きなあなたへ
もっと音楽を楽しむための
ささやかなMONO(モノ)をお届けします
>>上の画像をクリックしてください<<

| BOOKS & MAGAZINES | comments(4) | trackbacks(0) | posted by mono-mono
<< | 2/12 | >>