MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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自分をほめてあげたい 09:45
THE SILENT AMBASSADOR OF YOURSELF
久しぶりに足を運んだ五反田の古書展で、びっくりするようなものを見つけてしまった。
手にとって「お?」と思い、ページをめくった次の瞬間「おお!」と一気に盛り上がった。
その後も手の中の冊子を見直しては「オ〜」っと幸せな気分を確認してしまった。

見つけた自分をほめてあげたい。

これは印刷会社の印刷見本である。
10センチ角で20ページほどの小さな冊子だ。
表紙には「THE SILENT AMBASSADOR OF YOURSELF」とある。
ベージュのしっかりした紙に、余白をとった欧文がならぶ極めてシンプルな印刷物である。
裏表紙に「17.NOV.1984」という判(あるいは手書き?)が押してあるのは、発行日だろうか、入手日だろうか。

嘉瑞工房の印刷見本
この冊子は、飯田橋にある印刷会社の印刷見本である。
その名を「嘉瑞工房」という。
ではこの嘉瑞工房(カズイコウボウ、The Kazui Press Limited)とはどんな印刷会社なのだろうか。

嘉瑞工房は、昔ながらの金属活字を使用した活版印刷の会社です。海外の活字鋳造会社から直接輸入した品質の高い欧文活字を多数保有し、端物印刷物を主に制作しています。名刺、レターヘッド、封筒などはもちろんのこと、招待状のような社交用印刷物や、フォーマルなディプロマ(賞状類)なども得意としています。
欧文タイポグラフィのルールにのっとった、海外でも通用する本格的な印刷物を提供しています。もちろん和文印刷にも対応しています。
嘉瑞工房は戦前から続く活版印刷工房ですが、大量の印刷物を安価に生産することを目的とした印刷会社ではありません。むしろ、少量でも時間をかけて質の高い印刷物を作ることをモットーとしています。
活版印刷は産業としては衰退してしまいました。日本だけでなく海外でも多くの活版印刷業者が消えていきましたが、嘉瑞工房は今も健在です。コンピュータ組版で便利になった反面、熟練した組版工の技術や知識が伝わらず、組版の質の低下を招いてしまいました。これは海外でも状況は同じようです。そんな今だからこそ、より良い印刷物、質の高い本物のタイポグラフィが求められるようになってきました。嘉瑞工房の存在意義はむしろ高まっているように思えます。
タイポグラフィとは“印刷用の書体を使って、読みやすく美しく文章を並べる”ことです。最も狭義の定義は“活版印刷術”そのものを指します。嘉瑞工房は、タイポグラフィの基本をしっかりとふまえたうえで印刷物を制作しています。
<嘉瑞工房ウェブサイト「概要」より>

嘉瑞工房現在の社長は高岡昌生さん。
前社長にして相談役は高岡重蔵さん。
二人はともに日本を代表するタイポグラファーである。

「文字というのは読むためにある。記録するためにある。だから、読みよくなければならない。形だけで遊んじゃ駄目。平凡でも、内容にふさわしい組版をしなきゃいけない。これがタイポグラフィの原則だと教わった。」
<高岡重蔵>


以前このブログで「詩集 妖精の詩」入手の顛末を書いた。
この「世にも美しい本」の文字組みは嘉瑞工房の仕事なのだ。
これを組んだ職人が廃業してしまっているため、今となっては2度と同じものを作れないという貴重な本である。

私はこの冊子を古書展会場の棚から引き抜いたのだ。
ショーウィンドウに飾ってあったのでもなければ、平置きされていたのでもない。
背表紙もない簡素な冊子を、自分の手で探し出したのだ。

たいしたもんだ、自分!(笑)。


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アナログレコードの作り方(笑) 21:31
<以下、引用です。あまりにも素晴らしいので紹介します。>


きっと若い「CD世代」は知らないと思うので、おじさん教えとく。
アナログ盤のレコードはこうやって作っていました。

pic.twitter.com/s7UTjQT7F6

片岡K (@kataoka_k)



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これはゴールではない 08:54

Antonio Carlos Jobimの「WAVE」を入手した。
見開きのジャケットのアメリカ盤である。
レコード番号は<A&M LP-2002>。
ジャケットの表面はコーティングがほどこされている。
これは、通常「コーティングジャケット」と聞いて想像するグロッシーなコーティングとは異なり、メンディングテープでおおったようなマットな風合いである。
レコード盤の内周には「VAN GELDER」の刻印が入ったオリジナル盤である。

私はこのレコードを3年以上に渡って探し続けてきた。
週に一度はレコード店に足を運ぶとして、1年に50回。
3年なら150回以上だ。

やっとみつけた。

レコード店に行くたび、フュージョンのコーナー、ボサノヴァやブラジル音楽のコーナー、ジャズのコーナーをくまなくチェックしてきた。
しかし、一度もこのレコードを見たことが無かった。
値段が折り合わなかったのでも、コンディションに納得がいかなかったのではない。
再発盤や国内盤では見かけても、オリジナル盤を目にする機会はまったくなかった。
ただの一度もこのレコードを見たことが無かったのだ。
ネットオークションでは何度か見かけたが、いずれもけっこうな価格で落札されていた。
あるレコード屋さんのメルマガでも、新入荷の中に何度か見かけたが、店に駆けつけられるタイミングではなかった。
今回やっと店頭で、このレコードのオリジナル盤と出会うことができた。

私がこのレコードをはじめて聴いたのは、およそ20年前だ。
ジャケット写真が緑の、シングルジャケットの国内盤だった。
ここににおさめられた、極めて都会的で洗練されたボサノヴァを、私は、なんてきどった音楽なんだ、と最初に思った。
ロックを中心にビートのきいた音楽ばかり聴いていた私には当然だろう。
退屈だ、とすら思った。

「きどった音楽」とか「退屈」と思ったにもかかわらず、私は何度もこのレコードを聴くことになった。
このレコードを聴くととても良い気分になるからだ。
晴れた日の起き抜けなどは特に気持ちが良い。
単なるBGMではない何かをこのレコードに感じた。
私の生活に欠かせないレコードになった。

その後、ジャケット写真は緑ではなく赤のバージョンがオリジナルであることを知り、オリジナルと同じ見開きジャケットの国内盤を入手した。
これはおそらく日本での初回リリース盤だと思われる。
オリジナル盤と同じレーベルデザインで溝がある。

このレコードは音の良さでも際立っている。
ルディ・ヴァン・ゲルダーという世界屈指の録音技師によって録音されている。
彼の手がけたレコードは、音が良いことで知られている。
発売当初のオリジナル盤を聴いてみたい、という気持ちになるのは当然の流れだった。
それから3年以上探しに探した結果、こうやって私の元にやってくることになった。

これによって私が、Antonio Carlos Jobim「WAVE」のゴールに辿り着いたのか?
ノーである。
今回入手したのはモノラル盤であるが、私はステレオ盤が欲しい。
67年に発売されたことを考えれば、ステレオ盤で聴くのが自然だろうと思う。
「このモノラル盤はほんとうに珍しいよ。私は初めて見た」
レコードを買う時に、レコード店の店主は私にそういった。
そう言われて悪い気はしないのだが、ステレオ盤を欲しい気持ちに変わりはない。

そう、これはゴールではないのだ。





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