MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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歳のことは考えたくないのだけれど 09:20

この夏、私は43歳になった。
自分史上最年長記録更新中(笑)。
当たり前だがそのことに驚く。
おじさんだなあ、と思う一方で、おじさんになってたまるか、と強く意識している。

おじさん、とは何だろう。
抗うことをあきらめてしまった状態、だろうか。
何に抗うのか?
それは、いろいろなことに対して、と言っておこう。

自分の気持ちでは28歳くらいで止まっている。
つまり、意識の中では肉体も精神も28歳ということだ。
しかしそうもいかない。
日々は確実に進んでいく。
ちび達が気が付くと大きくなっているのだから、私も着実に歳をとっている。

歳を聞かれると、たいがい「(その歳には)見えませんね」と言われる。
「若いっすね」と驚く人もいる。
まんざらでもない。
というか嬉しい。
すっごく。
さらに言うと、驚かれることを期待している。
自分でもはっきりと「若くありたい」と思っている。
見た目も、そしてもちろん中身も。
不自然な若作りをするつもりはもちろんない。
ごくふつうのあり方としての若さを保ちたい。

一方で、若くありたい、という自分の意識に自分の「老い」を実感している。
「老い」といったら大げさだが、若いうちには若くありたいなんて思わないのだから、自分が歳をとったことをひしひしと感じる。
しかし馴染んでいくしか方法はないのだ。
自分の歳を自分で認めていくしかないのだ。
「とおちゃん大丈夫、いけてる(笑)」という娘の言葉が最大の励みである。

コンビなどでお酒を買うとレジで年齢確認のアラートが鳴る。
しかし店員は私に対して年齢確認をしない。
私の姿からは、年齢確認の必要がないということだ。
当たり前なのだが、少しさみしい(笑)。


JUGEMテーマ:日々のくらし
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| ESSAY | comments(14) | trackbacks(0) | posted by mono-mono
レコードで音楽を聴くという贅沢 11:39


アメリカのとんでもないところから、四十年、五十年前のペイパーバックが、僕個人宛に、僕の自宅まで配達される。日本に入ってからは日本の郵便システムが引き受けるのだが、日本に届くまでにたどる経路とその距離について思いめぐらせると、投函された地点のどれもが、僕にとっては、アメリカのとんでもないところ、としか言いようがない。これまでに合計で五百冊ほどインタネット経由で買ったペイパーバックは、ほとんどの場合、一冊ずつ個別に、アメリカから東京の僕に向けて、郵便システムの内部を旅して来た。

片岡義男「本が僕に向かって旅をする」


私の手元にある多くのレコードも同じような経路をたどってやってくる。
レコードが僕に向かって旅して来た、のである。
個人的に注文しても、レコード屋の店頭で買っても、だいたい同じような経路をたどってアメリカから日本へレコードはやってくる。
郵便システムの内部を旅して、私の手元にやってくるのだ。
四十年、五十年前のレコードが、こうして私のところにあるというのは不思議なものだ。
おそらくはゴミのような扱いだった古いレコードが、誰かの手から手に渡されて、最終的に海を渡り日本へ届けられる。
興味のない人にはまったく無価値な、ただ古いだけのレコードに、私はどうしようもなく惹きつけられている。

東京のレコード屋で私はレコードを手に取ってしげしげと眺め、レジカウンターで検盤し、ジャケットや盤面のコンディションを確認し、値段とのつりあいを仔細に検討する。
満足いくものであれば購入し持ち帰る。
家でジャケットや盤面を磨き上げ、必要であればキズを修復する。
そしていよいよレコードを聴く。

四十年、五十年前のアメリカのある工場でプレスされたレコード盤に針がおろされる。
四十年、五十年前のアメリカのあるレコーディングスタジオで録音された演奏が流れ出す。
四十年、五十年前のアメリカのある印刷所で印刷されたジャケットを眺めながら、私は音楽に耳を傾ける。
四十年、五十年前のアメリカ製のアンプとスピーカで、私は音楽を聴いている。

古いレコードで音楽を聴くという行為の豊かさ、贅沢さに思いをはせる。
この行為は、物質的な豊かさと文化的な豊かさの極地ではないか。
物質的な豊かさとは、極めて正確な物流システム、それをささえる情報ネットワーク、さまざまなエネルギーに基づいたとてつもないこの世界のあり方である。
文化的な豊かさとは、古い音楽を愛好する人たちによって形成された文化的なネットワークによってこのレコードは拾い上げられ、こうして私の手元にやってくるというこの世界のあり方である。
古いレコードで音楽を聴くという行為は、このように豊かな世界の上に成り立っている。
これは極めて贅沢な趣味なのである。

LAWRENCE BROWN ALL STAR'S WITH JOHNNY HODGES "INSPIRED ABANDON" (AS-89)

しかし、このレコードの素晴らしさをどうやったら伝えられるだろう。
デューク・エリントン楽団出身の超ベテランミュージシャンがあつまって、極めてモダンなスイングを少人数で奏でる。
お互いの手の内を知り尽くした仲間同士で、懐を探りあうような茶目っ気が感じられる。
おッおまえそうきたか、それじゃこうかえす、みたいな。
それはもう見事に余裕しゃくしゃくな演奏である。
これはちょっと凄いレコードだ。
しかしなんと、CD化されていないという。


JUGEMテーマ:No Music, No Life
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| RECORDS - JAZZ | comments(4) | trackbacks(0) | posted by mono-mono
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