インターネットでも情報が出てこないなんてそれはそれで愉快ではないか |
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コンタクトのレコードを初めて買った。
コンタクトとは、レコードレーベルのことである。
買ってみて、コンタクトというレーベルについて何も知らないことに気が付いた。
コンタクトのレコードはときどき中古レコード屋の店頭で目にしてはいたが、レーベルについてなど考えたことも無かった。
このレコードを手にしてみて初めてこのレーベルが気になりだした。
COLEMAN HAWKINS AND LESTER YOUNG / CLASSIC TENOR (CONTACT CM-3)
しっかりとコーティングが施された見開きジャケット。
プロデューサーはボブ・シール。
レコード盤の内周部分には「VAN GELDAR」の刻印がある。
デザイナーは「ROBERT FYNN/VICEROY」。
そう、インパルス・レコードとまったく同じ仕様ではないか!
しかしレコードにミゾがある。
インパルスにミゾは無い。
これは興味深い相違点だ。
ジャケットにはこう書かれている。
CONTACT RECORDS is privileged to issue these rare recordings which have truly enhanced by the techniques of modern engineering.
つまり、過去の素晴らしい音源を最新の録音技術でよみがえらせた、ということなのだろう。
なるほど、その点でインパルスとは違うコンセプトなのだ。
つまり、新作専門のインパルスに対して、コンタクトは再発専門レーベルということ。
ちなみにこの「クラシック・テナー」は、40年代の録音なのだが実にこくのある音がする。
朗々と鳴るテナーサックスを存分に味わえる。
さすがはヴァンゲルダー!と思いかけて、元の音と比較しないと彼の仕事の良さは分からないことに気付いた。
きっと元の録音だって悪くないに違いない(笑)。
このコンタクトのことをインターネットで検索してもなかなか情報が出てこない。
言葉を追加したり工夫しても情報に辿り着けない。
「コンタクト」というのがごく普通の名詞のため情報を絞り込むのが難しいのだ。
そもそも情報が少ないということもきっとあるのだろう。
過去のジャズ本などには紹介されていたりするのだろうか。
しかしインターネットでも情報が出てこないなんてそれはそれで愉快ではないか。
フフフ。
まあ、私の検索の仕方に問題があるのかもしれないが(笑)。
レコード会社の住所が「1841 BROADWAY / NEW YORK, N.Y.」となっている。
これって70年代前半のアトランティック・レコードの住所ではないか。
コンタクトレコードのマークもTシャツにしたいくらい良いデザインだ。
なお、このレコードはコールマンホーキンスとレスターヤングの共演盤ではない。
別々の録音を一枚にまとめたに過ぎない。
悪しからず。