MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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これは問題です!(インパルス! その2) 14:04

レコード・コレクターズ11月号の「ジョン・コルトレーンとインパルス」特集を読んで、すっかりインパルス熱が高まってしまいました。
それ以来、とっかえひっかえインパルスのレコードを聴く毎日です。
次にかけるレコードを磨いていたら、ごくささいな、しかしとても重大な事実に気が付いてしまったのです。

それは前回の記事でもふれた、カウント・ベイシーのレコードを聴こうと思ったときでした。
レコードを取り出して、オレンジのセンターレーベルにうっとりしながら磨きはじめました。
オレンジのセンターレーベルは、60年代中頃まで使用されたセンターレーベルです。
オレンジのセンターレーベルには、年代によって3種類あることが知られています。
レコード・コレクターズ11月号でも、特集の冒頭に写真入りでセンターレーベルの変遷が紹介されています。(P30)
その記述を引用してみましょう。

1.61〜63年発売=オレンジ/ツヤあり、AS1〜AS32。
  最初期のもので、レーベル下部に<A PRODUCTION OF AM-PAR RECORD CORP>と表記。

2.63〜65年発売=オレンジ/ツヤあり、AS33〜AS100。
  レーベル下部に<A PRODUCTION OF ABC-PARAMOUNT RECORDS, INC.>と表記。

3.66〜67年発売=オレンジ/ツヤなし、AS9101〜AS9135。
  レーベルが光沢紙から普通紙に変更。
  レーベル下部に<A PRODUCTION OF ABC-PARAMOUNT RECORDS, INC.>と表記。

カウント・ベイシーの「カンサス・シティ7」のレコード番号は「A15」です。
インパルスのレコード番号では、最初のアルファベットによってモノラル盤かステレオ盤かが分かります。
私のレコードはモノラル盤なので「A15」となります。
ステレオ盤は「AS15」となります。
この「A15」という番号のレコードに1のセンターレーベルがついていたらオリジナル盤と判断できるのです。
私のレコードにも「A PRODUCTION OF AM-PAR RECORD CORP」と書かれたツヤのあるセンターレーベルがついています。
これでオリジナル盤ということが分かります。

このレコードを初めて聴いたのは、シングルジャケットの再発アメリカ盤でした。
レコードなのにデジタルリマスターを施された、いまとなっては「?」な気がしなくもない、90年代当時の最新盤でした。
すぐに音楽の素晴らしさに耳を奪われました。
とてつもないグルーヴとスウィング感、なのにカル〜いベイシーのピアノ。
最高です。
すっかりこのレコードに夢中になり、それからこつこつと買い換えてきたのです。
今手元にある、満足のいく状態のオリジナル・モノラル盤を手にするまで5回以上は買い替えたことでしょう。
何度買い替えても、中身の音楽はもちろんどれも同じですが、音の鮮度の違いは明らかです。
時代をさかのぼり、古いレコードになればなるほど音がヴィヴィッドになるなんて、オリジナル盤を聴いたことのない人には信じられないことでしょうけれど。

話を戻しましょう。
カウント・ベイシーのレコードを磨き、センターレーベルを眺めてうっとしていたのです。
それからレコードのデッドワックス(音の刻まれた部分とセンターレーベルの間にある無音。内溝)に目がいきました。
インパルスのレコードの多くは、ルディ・ヴァン・ゲルダーというエンジニアによって録音されています。
彼が録音したレコードの内溝には、ルディ・ヴァン・ゲルダーの仕事を表す刻印が刻まれています。
そのこに目がいったのです。
そこには<VAN GELDAR>と刻まれていました。

ン? VAN GELDAR??
レコード・コレクターズ11月号では刻印について次のように紹介しています。

初期のモノラル盤は<RVG>、ステレオ盤は<RVG STEREO>、中期以降は<VAN GELDAR>。

お分かりでしょうか。
この記述から考えると、オリジナル盤には<RVG>と刻まれているべきなのですが、私のレコードには<VAN GELDAR>とあります。
センターレーベルはオリジナルですが、刻印は違うようです。
しかし、レコードコレクター誌の記述における「中期以降」というのがどの番号を示しているのか、年代的にはいつ頃から<VAN GELDAR>刻印が使用されたのかは分かりません。
ちなみに手持ちの「A20」、シェリー・マンの「234」には<RVG>の刻印があります。
「A15」であるカウント・ベイシーのレコードには<RVG>刻印盤が存在することでしょう。
<RVG>刻印が入っているものこそがオリジナル盤なのでしょう。
私のは、たぶんセカンド盤ということになるのでしょう…。

これは大問題だ(笑)
この先、カウント・ベイシーの「カンサス・シティ7」(A15)は<RVG>刻印盤に買い替える日はいつくるのでしょか?

この記事をお読みの方で、「カンサス・シティ7」の<RVG>盤をお持ちの方はコメントいただけたら幸いです。
私の盤が確かにセカンドであることを確認したいのです(笑)


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| RECORDS - JAZZ | comments(8) | trackbacks(0) | posted by mono-mono
インパルス! 21:57

レコード・コレクターズ11月号がインパルスの特集をやると@カツさんに教えていただき、とても楽しみにしてきた。
早速手にし、むさぼるように読んだ。
これは素晴らしい特集だ。
わくわくしながら読んで、次々レコードが聴きたくなった。

何しろ、オレンジと黒の初期センターレーベルを見ただけて胸がときめいてしまうくらいインパルスが好きなんだ。
以前は、全タイトル入手してやる!くらいの勢いだったが、今はそれほどではない。
70年代以降のタイトルにはほとんど興味がないことがこの特集ではっきりしたことだし、とりあえず、オレンジ/黒のセンターレーベルだった、レコード番号9135までをがんばってみようか、と決意を新たにしたのだった(笑)
あくまでも「私は」であるから、70年代以降のインパルスもお好きな方はご気分害されないでいただきたい。

インパルスの素晴らしさは音楽だけではない。

私の場合、いきなりこの切り口である。
レコード会社であるから、音楽に魅力が無くてどうする、と思うのだ。
その上で、音楽とは別の要素が加わってこそ魅力的になると考える。
そう、あなたもインパルスのレコードを手にすれば、きっとこのレーベルの魅力がお分かりいただけるだろう。
ジャケットデザインの美しさ、秀逸なロゴマーク、コーティングされた見開きのジャケット。
音楽にモノとしての美しさが加わって、それがインパルスというレーベルの魅力になっているのである。

ジャズレコードのジャケットデザインといえば、まずブルー・ノート・レコードであることは皆の意見が一致するところであろう。
そのブルー・ノートのジャケットデザインを手本として、インパルスはフルカラーの写真とタイポグラフィ(文字のデザイン、レイアウト)で見せる。
なかには、これはいかがなものか、というジャケットデザインも実際のところ、ある。
ブルー・ノートの完成度に対して、レコードジャケットにおいては若干劣るのは否めないが、音楽においてはインパルスもなかなかのモノである。

インパルスの最初期のセンターレーベルのデザインをご存知だろうか。
通称「オレンジ」と呼ばれる、オレンジ、黒、白の3色で構成されたセンターレーベルである。
「i」と「!」を組み合わせた小粋なシンボルマーク、社名ロゴ、そして内周はオレンジ1色、そこにアルバムタイトルや曲名が記されている。
このセンターレーベルを初めて見たのはスイングジャーナル/新星堂の共同企画盤によってであった。
「可能な限りオリジナル仕様を忠実に再現する」というコンセプトの再発企画を知り、そのなかからカウント・ベイシーの「カンサス・シティ7」を買った。
このレコードは再発US盤で愛聴していたのだが、手にしてそのセンターレーベルの素敵さに一目惚れしたのであった。
そして、再発にしてこれなら本物はどんな色なのだろうと欲が出た。
つまり、インパルスの「ホンモノ」が欲しくなってしまったのだ。
その後、ほどなくカンサス・シティ7の「ホンモノ」盤を入手。
これが素晴らしくて可愛くて、モノ盤、ステレオ盤とこれまで延べ5枚以上買っただろうか。
いまはモノ盤だけが手元にあるがこれで満足している。

多くのジャズファンにとって、この特集一番の驚きは、初期ステレオ録音制作時、ステレオ再生は意識されていなかった!という事実であろう。
この事実が、ルディ・ヴァン・ゲルダー(インパルスやブルーノートで数多くの名盤の録音を手がけたエンジニア)自身の言葉で明かされたことがなにより重要だ。
気になる方は、是非ともインパルス特集をお読みいただきたい。
本人曰く、自分のステレオ録音のスタイルが確立したのは70年代前半だという。
ウ〜ン…。
もともとジャズのレコードコレクターはモノ盤にこだわるのだけれど、これによりますますモノ盤の人気が上がるのではないか。
しかしこの発言、驚いたのなんって…。


この特集には、「重要アルバム102選」というディスクガイドがある。
そう聞けば、あれやこれや有名盤が頭に浮かぶ方も多いだろう。
コルトレーンやギル・エヴァンスの諸作、シェリー・マンやオリバー・ネルソンのレコードなど。
私はその一方で「あのレコードはでてないだろうなあ」と1枚のインパルス盤を想像していた。
大好きなんだけどきっとのってないんだろうなあ、と。

しかし予想に反してのっていたのである。
そのレコードとはこれ(写真参照)。

THE PEE WEE RUSSELL with MARSHALL BROWN / Ask Me Now!

ピー・ウィー・ラッセルは、スウィング以前のディキシーランドスタイルで知られる大酒飲みのクラリネット奏者である。
私がピー・ウィーに興味をもったのは、ビル・クロウというジャズベーシストの回顧録「さよならバードランド」を読んでからである。
この「Ask Me Now!」では、トロンボーンのマーシャル・ブラウンと組んでこの時代('66)のモダンなジャズ、オーネット・コールマンやモンク、コルトレーンなどに取り組んでいる。
しかし、そこは百戦錬磨の超ベテランのこと自分のスタイルをそうやすやすと変えられる訳もなく、気が付けばディキシー&スウィングというのんびりした素顔が出てきてしまう。
しかしそれが意外にというか、案外というか、とにかく身持ちよいのだ。
毎日のように聴きたいレコードではないが、思い出したように聴きたくなるレコードなのだ。
そしてこの白いセンターレーベルは、インパルスのプロモーション盤といわれている。
オレンジに見慣れた目にはとても新鮮で嬉しい。


実は、この特集で個人的にもっとも驚いたのは、インパルスの頭文字「i」と、ビックリマーク「!」を組み合わせたトレードマークについての事実であった。
なんと、これを考案したのはインパルスを立ち上げたプロデューサー、クリード・テイラーの女性秘書なのだという。
その名は、マーゴ・ヤーガン。
・・・。

なんとあの「テイク・ア・ピクチャー」のマーゴであった。
こんなところで彼女の名前を聞くとはね!

またこの特集では、以前このブログで紹介した「水色のインパルス」が、このレーベルから2枚だけリリースされたフォークアルバムということが判明。
しかし、MICHAEL BROWNとは一体誰なのでしょうか?
検索してもいまだに何も情報が出てこない。


そして、レコードコレクターズ12月号はビーチ・ボーイズ「スマイル」特集。
そりゃもう「スマイル」は国内盤で予約したっすよ。
2枚組のやつだけど(笑)
5枚組+α盤は将来的にUS盤を中古でほしい(爆笑)









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平日の昼間にレコードをみがく 07:48

平日の昼間にひとり、家でレコードを聴く。
休日出勤の代休を取ったのだ。
ちび達は学校で、妻はさきほど、髪の毛を切るといって出掛けた。
私はいつもよりボリュームを上げてレコードを聴く。

レコードを聴きながら、次に聴きたいレコードを選ぶ。
いま聴いているレコードから自然に連想されるレコードもある。
あれこれ考えて決まるレコードもある。
そして、次に聴くにふさわしいレコードが決まったら棚から抜く。
ジャケットからレコード盤を取り出し、磨く。
レコードを聴きながら、次に聴くレコードを磨くのだ。

レコード磨きには、シルコットとキムワイプという二種類のワイパーを使っている。
シルコットはスキンケア用のカットコットンである。
コットンシートが不織布にくるまれているため拭いたあとに繊維が残らない。
保水性にすぐれ、クリーナーで汚れを落とす際に使っている。
キムワイプは業務用のワイピングクロスである。
実験室でも使用されるという極めてケバ立ちや紙粉の少ないパルプ製のワイパーである。
吸水性にすぐれ、拭き取りと仕上げに使っている。
(※キムワイプは、アマゾンで送料無料で注文できます!)

まずは、盤にモノクリーナーをたっぷりつけ、シルコットで磨く。
表も裏も、外周から内溝までしっかりとクリーナーをつけて磨く。
ただし、レコードレーベルに水分が付くとブルーノートなどの古いレコードの場合、印刷が悪いのかインクが落ちるので注意が必要だ。
磨いた後のコットンを見たらインクで青くなってて真っ青になったことがある(笑)。
確か、コロンビアの2つ目でも落ちやすいレーベルがあると記憶している。
ご注意あれ。

モノクリーナーを使ってシルコットで磨いたあとは、精製水でのすすぎ作業となる。
盤に精製水をたっぷりたらしてキムワイプで丁寧に拭き取り、更に新しいキムワイプで仕上げとなる。
シルコットもキムワイプもとてもリーズナブルで手に入りやすいので気兼ねなく使えるのが良い。
いっとき、レイカ&ビスコを使っていたが、私にはお高いのでどうも使い方が遠慮がちになっていけない。
この方法が私向きなのだ。

さて、写真はディジー・ガレスピーとダブル・シックス・オブ・パリの共演盤。
フランスのランバート・ヘンドリックス&ロスというべきダブル・シックス・オブ・パリ。
ディジー・ガレスピーのトランペットとフランス語のヴォーカリーズで見事に共演している。
「フランス語」というところ私にはぐっと来るのだが、評価の分かれるところかもしれない。
このレコードのセンターレーベルは、湿式クリーニングにはもってこいのツルツルした状態である。
すべてのレコードがこんなセンターレーベルだとよいのだけれど。
おかげで心置きなく磨くことが出来る最高の1枚。
そしてジャケットもピッカピカのコーティング仕様なのでジャケットもクリーナーで磨くことが出来る。
これでお手入れは終了。
レコード全体がシャキっとするのである。

さて、それじゃ聴くべ!









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秋には秋の音楽を 23:08

WILCOがニューアルバム「THE WHOLE LOVE」をリリースしたこともあり、最近すっかりWILCOモードに入ってしまった。
「THE WHOLE LOVE」はもちろん、iTunesのWILCOフォルダから過去のアルバムをiPodに入れて次々聴いていた。
そして久しぶりに、THE AUTUMN DEFENSEのアルバム「THE AUTUMN DEFENSE」に辿り着いた。

THE AUTUMN DEFENSEは、WILCOの静かなる二人、ジョン・スティラット(b,vo) とパトリック・サンソン(key, g)によるユニットである。
この二人が実際に静かなのかは分からない。
私の勝手なイメージである。
日本のメディアでは、ジェフ・トゥイーディーのインタビューですら掲載されることは稀なので、二人の人柄などを知ることは難しい。
私には、寡黙で控えめな二人に見えるが本当はどうなんだろう。

THE AUTUMN DEFENSEの音楽をどう評したら良いだろう。
シンガーソングライターという言葉で語られる音楽に通じる、ノスタルジックで切ないメロディがつまったポップス、ブルーアイドソウル、あるいはAORといったら良いだろうか。
私が二人に感じている人柄をそのまま音楽にしたように聴こえる。

THE AUTUMN DEFENSEを久しぶりに聴いた。
シンプルで味わい深い楽曲の数々である。
彼らの音楽から連想される色は、暗めの暖色系中間色だろうか。
くすんだ緑や黄色、茶色のグラデーション。
そんなことを考えていて気が付いた。
これって秋の色じゃないか。
彼らのユニット名にもなっている「AUTUMN」にうってつけの色合いだな、と。

地味と言えば確かに地味な音楽だ。
何かを大きな声で主張する音楽ではない。
ラジオで彼らの曲が流れても、ほとんどの人は聴き流してしまうかもしれない。
作り手もきっと、ほんの一握りの人たちに繰り返し聴いてほしいと願って作っているのではないか。
そんな風に、ささやかで美しい、隅々まで配慮の行き届いた手作りの音楽なんだ。

ここからはまったくの想像なのだけれど、コロムビアミュージックエンタテインメントの担当者もWILCOが大好きで、そのつながりでTHE AUTUMN DIFENSEを聴いたのだろう。
そして、このささやかにして素晴らしい音楽をなんとしても日本でリリースしよう! とがんばってくれたに違いない。
そんな風に想像すると嬉しい気持ちになるのだ。
情熱をもって仕事をしている人がいるということ。
また、そんな一社員の情熱に会社が応えたとしたのなら、コロムビアミュージックエンタテインメントも素晴らしい会社に思えてくる。
本家のWILCOが日本ではかなりマイナーなのに、メンバーのサイドプロジェクトの国内盤がリリースされているなんて信じられないくらいに嬉しいことではないか。

ところで、このCDって何枚ぐらい作られたのかな?
そして採算ラインってこの場合何枚くらいなのかな?
でもって、何枚ぐらい売れてるのかな?

そんなことが気になりだした秋の日であった。








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音楽はそんな風に愛するものだ、と彼は言った 22:08


  子供が生まれたからといって、あなたがリヴィング・ルームで好きな音楽を聴くことをため
  らう必要などない。昨日までロックを聴いていた人間が、突然モーツァルトに替えたら、彼
  らのほうこそ戸惑うだろう。
  彼らが成長して、やはり音楽に興味を持ったなら、けっして彼らの好みに口を挟んではいけ
  ない。その替わり、あなたも音楽の好みを譲るなかれ。もしもフリー・ジャズを愛している
  なら、妻に何と言われようと、あなたはそれを聴くべきだ。ヘッドフォンを被って、澄まし
  た顔でいれば良いのだ。
  家族全員で同じ誰かのファンでいることのほうが薄気味悪い。オレの愛するカート・コバー
  ンをなんで妹が知ってるんだ。音楽はけっして誰かと共有するものではない。
  それでもある日、喫茶店で流れていたジャズのレコードに、デートの真っ最中のあなたの息
  子が、あ、これ知ってる、と反応したら。音楽はそんな風に愛するものだ。
   <「マーシャル・マクルーハン広告代理店」小西康陽 Gakken>

小西康陽の書く文章が好きだ。
音楽家としての彼を知り尽くしているわけではないが、彼の作った音楽よりも、彼の書いた文章に感じ入ることが多い。
例えばこの文章。
これは彼が、デイヴ・ブルーベック・カルテットの「タイム・アウト」を紹介した文章のすべてである。
一見ソフトで洒落た体裁をとりつつ、強烈なメッセージが含まれている。
小西康陽という人は、主義主張やメッセージ性とは対極であるかのように思わせておいて、実は明確にべきことを持っていてそれをきちんと言う。
ただ押し付けがましく感じられないのは、その語り口がとても巧みなのだろう。

この文章には、私が親になった時、音楽に対して感じていたことがほとんどそのまま書かれている。
男女二人の間に子供が生まれ親になると、それまでとはまったく違った生活が始まる。
夫婦ふたりの生活に、人間が一人加わるのだから当然である。
しかし世間は、夫婦に子供が生まれた瞬間から、それまでとは違う「親」というスタイルでの暮らしを求めているような気がしてならない。
少なくとも私が親になるときには、そんな息苦しさを感じていた。

妻が妊娠している間、胎教にはクラシックだとか、クラシックでもモーツァルトが良いとか言われていて、なにかそのような音楽を聴かなければいけない気持ちがあった。
中には童謡がたくさんおさめられたCDをくれる人もいた。
まさに、胎教にどうぞ、である。
もちろん、どちらの音楽にも非は無いのだが、好きではないのに無理してまで聴きたくなかった。

私は、少し大げさに言えば、自分の好きな音楽を聴いてこその人生じゃないか、と思っていた。
ロックを、ジャズを、今まで通り聴いて何が悪いんだ、と言いたかった。
いま思えば、子供が出来るとき、つまり初めて親になるときには肩に余分な力が入っていたから、考えることもちょっと力みがちではあったけれど、そんな風に思っていた。
その想いは今もまったく変わらない。
ロックを、ジャズを今まで通り聴いて何が悪いんだ?

この小西康陽の文章を読んだのは最近のことだけれど、とても共感した。
そういえば、彼にも娘がいるのだった。
そう、このような文章は親になった経験が無ければ決して書けるものではない。

私には二人の子供がいる。
それぞれの子供が生まれる前後に繰り返し聴いていたCDがある。
上の娘のときは、WILCOのYANKEE HOTEL FOXTROT、下の息子のときは、BUENA VISTA SOCIAL CLUBだった。
毎日毎日、繰り返し繰り返し聴いていた。
まるで取り憑かれたように聴いていた。
それらは一般的に胎教として聴かせる音楽ではないかもしれない。
きっと、それぞれの子供に何らかの影響を与えていることだろう。
WILCO的な娘と、BUENA VISTA SOCIAL CLUBな息子。
言葉にしてみると、ちび達がそんな風に見えてきてちょっと楽しい。











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