少年には、優等生と不良と、その中間がいる。
中間にいる少年は、優等生と不良、どちらを目指すかでその人生は大きく異なってくる。
私は不良にはなれなかったが、おおいに憧れた。
中学生の頃、当時はヤンキー全盛の昭和50年代。
昭和50年代のことを80年代と西暦で語ったらニュアンスがぜんぜん違ってしまう。
ヤンキーには「昭和」が似合う。
80年代には「ベストヒットUSA」が似合う(笑)
昭和50年代は、ナメネコ、横浜銀蝿、暴走族、校内暴力荒れる学校という時代。
ポマードてかてかのリーゼントにカスタムを施した丈の長い学ランが当時の典型的なヤンキースタイル。
私の通う中学の制服はブレザーだったので、学ランを着たことはない。
それだけに学ランへの憧れも強かった。
学校指定のスラックスの裾を細くつめる程度に反抗を試みる少年だった。
初めて自分からミシンを踏んだのってあれが最初だったのだろう。
中学から高校に進学する頃には、ヤンキー文化も下火になっていた。
私の興味も完全に音楽つまりロックへと移っていった。
ロックンロール、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルそしてパンク。
キッスとの出会いが小学生の頃にあって、オジー・オズボーンに夢中になって、セックス・ピストルズ、クラッシュに衝撃を受けた。
すでに解散していたハノイ・ロックスを知ったのは高校生になってからのこと。
ジョニー・サンダースは生きる伝説だった。
シド・ヴィシャスに憧れたりもした。
彼の写真を今見ると十分に子供っぽくて笑顔があどけなく見える。
肌なんかつるっとしてる。
今の私の半分の歳なんだから…。
ガンズ・アンド・ローゼズが登場したのは高校2年だったか。
モトリー・クルー以降のLAメタルシーンにあってガンズ・アンド・ローゼズは一番の衝撃だった。
デビュー前から噂が噂を呼んでいた。
なにしろ静岡の田舎町にまでその噂は届いていたくらいだ。
4曲が収録されたインディー盤を入手して、どきどきしながら聴いたものだ。
AC/DCを思わせるアクセル・ローズの声は強烈なインパクトだった。
それからすぐにリリースされた正式デビューアルバム。
あれは確か夏休み直前の暑い日だったと思う。
同級生が輸入盤のカセットを買ってきてくれたのだった。
休み時間にウォークマンで早速聴いた。
オープニングナンバーの「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」。
このイントロは新しい時代の訪れを高らかにつげるファンファーレだった。
スラッシュの、ゴツゴツゴリゴリしながら、次第にスピードをあげて滑り出すギターリフは、背中をゾクゾクと刺激した。
ガンズ・アンド・ローゼズがその年の夏休みの扉を押し開けた。
ガンズ以降、ヘヴィ・メタルとロックン・ロールをたして、パンクのスパイスを加えた不良っぽいロックバンドがドドっと現れた。
彼らはバッド・ボーイズ・ロックなんて呼ばれてた。
LAガンズ、ファスタープッシーキャット、ポイズン、シンデレラ、スキッド・ロウなどなど。
うわ懐かしい。
イギリスからはもうちょっとレイドバックした、クワイヤボーイズ、ドッグスダムールなんてフェイセズ、ストーンズ系のバンドもいたなあ。
日本にも、レッド・ウォリアーズ、ジギーのほか、静岡にはアーグポリスってローカルバンドがいた。
このバンドのベーシストはロビンといって、のちにイエローモンキーのフロントマンとして大ブレイクする吉井和哉であった。
先日入手した「ROCK CITY ANGELS」の懐かしいレコードについて書こうとしたら、いつの間にかガンズから昔話へ向かってしまった(笑)
バッド・ボーイズ・ロックの代表的なレーベルにしてガンズと同じ、ゲフィンから2枚組という破格のデビューアルバムで登場したのがこの「ROCK CITY ANGELS」だ。
ZZトップをベースにブルースやソウルの影響も感じさせる乾いたブギーサウンドは、音楽的に幼かった当時の私にはずいぶん大人っぽく感じられた。
オーティス・レディング「ジーズ・アームス・オブ・マイン」を演ってるんだぜ、なんて思ってた。
この「ROCK CITY ANGELS」は、大学生の頃聴いていた。
そして誰かに誘われて埼玉のライブハウスでライブを見た気がするのだけれど違ったかな?(笑)
この「ROCK CITY ANGELS」には、ジョニー・デップも在籍していたということを最近知った。
たぶんきっと、いまどきの少年たちも不良に憧るのだろう。
最近の少年たちはどんな音楽に不良性を感じるのだろうか。
間違いなく不良と言ってイメージするスタイルは私と大きく違う。
不良の音楽といってロックをイメージするのは、昭和40年代に生まれが最後の世代だろうか。
SEX, DRUGS and ROCK AND ROLL(笑)
私はいまでも、不良に憧れる少年のままなのだ。
この2枚組ダブルジャケットのレコードはシュリンク付きなのだが、こんなどうでも良い(といってはなんだが:笑)レコードでもシュリンクを破ることができない…。
なんだろう、自分。
内ジャケがどんなか気になるけど…。
トホホ。