私は料理するのが好きだ。
休日のたびに何か作っている。
私のする料理には2種類ある。
賄い料理と、趣味の料理の2種類である。
賄い料理とは、3度3度の食事のための料理である。
つまりは栄養補給としての食事。
家族と食べる「ごはん」である。
ショウガ焼きやハンバーグといったみんなで食べるおかずである。
趣味の料理とは、作ることを楽しむ料理だ。
つまみやお菓子を気の向くままに作るのだ。
食べるのも楽しみではあるが、作る楽しみの方が優る。
自分の食べたいものを好きな時に作って食べるのが基本である。
この間は、安かった小イワシをさばいてオイルサーディンを作ってみた。
美味いんだこれが。
家族が必ずしも喜ぶ料理ばかりじゃないけれど、まあ良いじゃないか。
好きなんだから(笑)
賄い料理と趣味の料理の中間にあるのが、ハンバーガーやビザ、餃子などになるだろうか。
時に前の晩から材料を仕込んだりして楽しんで作る。
家族もみんなおお喜びでみんな幸せ。
これがもちろん一番だ。
では、前置きが長くなったが、
hiyohiyoさんからいただいたお題にいってみよう。
なんとなく急に料理が作りたくなってしまったとき、キッチンに立ちながら聴きたい3曲!
ちょっとテーマからずれたかなというのもあるけど、スタート!
1.BARNEY KESSEL / LET'S COOK!
バーニー・ケッセルの何が良いって、彼のギターの音が笑ってるというか楽しさ全開!なところである。
ジャズをそれほど聴かない人にとってモダンジャズは、眉間に皺を寄せて聴く難しい音楽というようなイメージがあるかもしれない。
いやいやそんなことはないよ、と満面の笑みと音でバーニー・ケッセルは語りかけてくる。
彼の音楽は明るくて楽しくて、とても気持良い。
難しいジャズがあるのは確かだけれど、あくまでそれは限定的な一面であってこんなに楽しいジャズもあるのだ。
といいつつジャケットのバーニー・ケッセルは眉間には深い皺が寄ってます…。
このお題のオープニングとしてこれ以上にふさわしいアルバムタイトルがあるだろうかという「LET'S COOK!」の表題曲である。
この楽しい曲を聴きながら何作ろうか?
スパゲッティにしよう。
休日のお昼にチャチャっと作るシンプルなメニュー。
トマト&生クリームのクリームパスタにしようッ!
これ、ちび達も大好きなメニューなのだ。
これにガス入りのミネラルウォーターがあればとてもリッチなランチになる。
2.DR. JOHN / IKO IKO
つづいては、バーニー・ケッセル以上に楽しいドクター・ジョン!
彼の'73年のアルバム「GUMBO」は、ニュー・オリンズのお祭り「マルディグラ」を連想させるにぎやかな曲がつまった傑作なのだが、その中でもとびきりなのがオープニングナンバーの「アイコ、アイコ」である。
アルバムタイトルである「ガンボ」というのは、ニュー・オリンズなどアメリカ南部で食べられている煮込み料理である。
肉や甲殻類を、セロリ、ピーマン、タマネギなどとともに煮込んだスープ料理で、米にぶっかけて食べるのだという。
トマトやオクラが入っているイメージがあるが、ウィキペディアによると必ずしもそうではないらしい。
ガンボを作ると思いきや、日本人である私はここで、ジャパニーズソウルフードである煮込み料理を作りたい。
それはモツ煮込みである。
牛モツ、大根、大根、コンニャクをごろっと刻んで、日本酒をどぼどぼ注いで味噌で味付けする。
煮込むこと半日。
刻みネギと七味を振って食べればもう、ウマイのなんのって(笑)
大鍋いっぱいに煮れば1週間は楽しめるのだ。
娘はモツ煮が大好きで、思い出したように「トオちゃん、モツ煮作ってよ!」と言う(笑)
「ガツも入れてね!」と言う。
そう、わが家のモツ煮のポイントは、白腸だけでなくガツを2割くらい入れるところ。
これ最高っす(笑)
「アイコ、アイコ」は家族みんなが大好きだけど、モツ煮については妻と息子がまったく箸をつけない(笑)
3.TONY KOSINEC / DINNER TIME
最後に紹介するのは、このテーマを頂いて真っ先に浮かんだ曲。
それは、カナダのシンガーソングライター、トニー・コシネック一世一代の傑作アルバム「BAD GIRLS SONGS」から「ディナー・タイム」。
日暮れ時、母親が、晩ご飯だから帰っておいで!と子供に呼びかける、料理ソングならぬ晩ご飯ソング(笑)
夕焼け色の街には、家々からいいにおいが漂っている。
聴いた人は、それぞれの子供時代を思い出すことだろう。
つまりこの曲はタイムマシーンなんだ。
聴いている間誰もが時空を超える曲。
なんて素敵なんだろう。
子供の頃、最高の晩ご飯はカレーだった。
日が暮れるまで遊んで、家が近づくとカレーが香ってくる。
ウチだといいなあ、と思いながら、ただいまッって戸を開けて、バンメシナニ〜?って大声で尋ねる。
カレーだよ、と母の声。
やった!!
カレーは、ごくごく普通な日本のカレーが良い。
ジャガイモと人参とタマネギと豚肉、スーパーで売っているありふれたルー。
翌朝のカレーが美味い、なんていうくらいのカレーが良い。
つまり夜の段階では、ちょっと煮込み足りないくらいの状態ってこと(笑)
そんなカレーが最高だ。
残念ながらYouTubeに「DINNER TIME」はアップされていなかった。
選曲から外す事も考えたが、このテーマにぴったりはまる曲なので歌詞だけでも紹介しようと思う。
TONY KOSINEC「DINNER TIME」(中川五郎訳)
通りで遊ぶ子供たち
もう家に帰りなさい 食事の時間ですよ
”夕ごはんですよー”ってママが呼んでいる
子供たち さあ家に飛んで帰りなさい
公園で遊ぶ子供たち
もう家に帰りなさい 日も沈みましたよ
ぐずぐずしちゃだめ もうボールも見えないでしょう
ママが呼ぶ声が聞こえたら すぐにお帰りなさい
ほらパパが帰ってきますよ もう家に着いたかな
パパとママ ふたりだけで食事するなんて嫌ですよ
早く帰らないと お目玉ですよ
お腹をすかせたままベッドにもぐり込み
苦しい朝をむかえなくちゃなりませんよ
ママごめんね でもすっと同点だったんだ
途中でやめて ぼくらの方から帰るなんてできなかったんだ
”夕ごはんですよー”ってママの声はちゃんと聞こえたよ
でもそれからぼくはホームランをかっ飛ばし
そして大急ぎで帰ってきたのに…
これが私の「なんとなく急に料理が作りたくなってしまったとき、キッチンに立ちながら聴きたい3曲!」です。
よろしければ、今回もあなたの選曲を教えてください。
もちろん3曲じゃなくても構いません。
コメント欄からぜひ!