このレコードの値札に「赤黒」と書いてあれば、当然インパルスの2ndプレス盤が入っていると思うじゃないですか。
(分からない方は、
こちらの記事を参照してください)
コーティングされた見開きジャケットに収まった2ndプレス盤ならそれで十分だ、と思い買うことを決めました。
レジにレコードを行って検盤をお願いします。
これ、中古レコード購入の際の基本です。
何処の誰が所有しどのように聴き保管していたかが分からないのが中古レコードです。
値札に記されているコンディション評価も店や評価者によってさまざまです。
評価が悪くても、まったく問題ない状態のこともあれば、ときにその逆もあるのです。
検盤したら、ジャケットと盤が違ってたなんてこともありました。
こんな場合返品にも応じてくれるでしょうし滅多にないことですが、買う前にはレコード盤やジャケットのコンディションの確認が必須なのです。
店員さんにレコードを開けてもらい、ジャケットからレコード盤を取り出します。
見れば、レコード盤が入っている内袋が、ポリ袋じゃなくて紙袋でした。
それもインパルスのオリジナル内袋でした。
それだけで「ラッキー」なんて嬉しくなっちゃう単純な私。
でも幸運はむしろその後、レコード盤の方でした。
オリジナル内袋からレコードを取り出してみたら、あらビックリ。
写真の通りのオレンジレーベルが出て来るじゃないですか。
思わず、オ!って声が出てしまったかもしれません(笑)
だって、値札には赤黒って書いてあったし、それにふさわしい値段だったのでオレンジレーベルが出て来るなんて思いもしません。
ジャケットに貼ってある「STEREO」のシールが若干気にはなってましたけど、まさかのオリジナルセンターレーベルです。
危うく店員さんに「オレンジですけど、いいんですか?」なんて確認しちゃうところでした(笑)
ジャケットに「STEREO」シールが貼ってあるということは「MONO」ジャケットの上にシールを貼ってある訳で、モノラル盤は通常ファーストプレスに限られるので、「MONO」ジャケットが使われているのはファーストプレス、つまりオリジナル盤と推測されるのです。
ウシシ(笑)
レコード盤のコンディションもNM(ニアミント:新品同様)とはいかないまでもきれいな状態です。
この記事を書きながら、思わすじんわり笑みが浮かんでしまいます。
嬉しいなァ〜って。
このレコードは、「DEAR JOHN C.」というタイトルからジョン・コルトレーンに捧げられていることが分かります。
私はてっきりコルトレーンが亡くなってから制作されたレコードだと推測していましたが違うのですね。
コルトレーンが亡くなったのは67年、これは65年の録音です。
つまり、このレコードのリーダーであるエルヴィン・ジョーンズは、コルトレーンのグループに属しながらこれを録音していたのです。
そして「DEAR JOHN C.」というタイトルを付けた。
なぜ?
しかしこれは期待以上に素晴らしいレコードでした。
チャーリー・マリアーノのアルトサックスがとても爽やかです。
意外といってはエルヴィン・ジョーンズに失礼かもしれませんが、こんなレコードがインパルスにあるのですね。
では、どうしてタイトルが「DEAR JOHN C.」なのか?
コルトレーンとはまったく異なるテイストのレコードではないかと思うのです。
この頃コルトレーンはフリーへの道を突き進んでいっていたことを考えると…。
謎は深まるばかりです。
値札は赤黒なのに実はオリジナル。
これもサンタのいたずらだったのでしょうか。
こうして、2010年は暮れてゆくのです…。