ここのところ手持ちのお気に入りレコードの買い換えが続いている。
再発盤や国内盤で聴き込んでいたレコードを「やった!ついにオリジナル盤ゲット」と買い換えるのだ。
今回はちょっと珍しいケースとなったのでご報告。
実はすでにこのレコードのオリジナル盤を持っている。
10年程前になるか、当時通っていた骨董市で、なじみの業者さんから一山買った中の一枚だった。
JAMES TAYLOR / ONE MAN DOG
1曲目の「One Man Parade」から引き込まれた。
なんともいえない浮遊感が気持ちのよい好盤なのだ。
JAMES TAYLORの数あるLPの中でも大好きな一枚なのだ。
このジャケットの素晴らしいこと。
ボビー・チャールズかこれかで迷うが、犬ジャケ大賞No.1を差し上げたい。
裏ジャケットのレコーディング風景も良い。
田舎のログハウス風スタジオに集う青年達。
なにしろ天井から縄で吊るされたモニタースピーカー!
手作り感あふれるスタジオで楽しげに演奏しているんだ。
ボロジャケットに入ったキズ盤なので、そのうち状態の良いモノに買い替えたいと狙っていた。
このアルバムは72年発売のワーナー盤なので緑一色のセンターレーベルがオリジナル。
しかしこのセンターレーベルは、ヤシの並木が描かれた通称「バーバンク」。
この「ONE MAN DOG」の場合、2ndプレス扱いとなるセンターレーベルだ。
ではなぜこの2ndを買ったのか?
こいつも例外的に(?)オリジナル扱いといったら皆さん「エ?」となるだろうか。
あるいは私の認識違いか?
フフフ。
ジャケットとセンターレーベルに小さく「QUADRA DISC」とある。
4チャンネルステレオ盤なのだ、これは。
前に2つ、後ろに2つスピーカーを置いて聴く。
つまりサラウンドシステムだ。
70年代前半に登場し数年で消えた幻の新フォーマット。
4チャンネルでの再生には専用の装置が不可欠。
おそらく高価なシステムだったのではないか。
この盤には、'73年とオリジナルとは違うコピーライト年が記されている。
よって「バーバンク」の年代ということになる。
ジャケットにはカットアウトが入っているところからも売れなかったと見るのが妥当か。
しかしこの4チャンネルステレオの開発によりレコード制作技術がまた一段と向上したらしい。
ウィキペディアにはそう書いてあった(笑)
なにしろ一本のレコード針で4本のスピーカーに別々の情報を送るんだから文系の私の想像を超えている。
つまりカッティング技術の向上が不可欠だった。
これは見た目でもはっきりと分かる。
手持ちの盤と見比べると、明らかにこの4チャンネル盤のほうがミゾ部分が少ない。
つまりミゾが細いのだろう。
なのに情報は2チャンネルの倍。
凄い。
しかし、この写真を見て買い替えた理由が分かる方はいらっしゃったのだろうか。
そんな人がいたならば余程の好事家だろう。
まあ、一般人から見れば間違いなく変態レベルなことは間違いない(笑)
もっとも、思いのほか世間に変態は多い、というのが私の持論。
もちろん私もその1人。
私って変態?と思われた方、あなただけじゃないのでご安心を(笑)
最後に、オリジナル内袋に描かれた4チャンネルステレオのイメージイラストがあまりに素晴らしいのでご覧頂きましょう。
ほんと良いなァ。
Tシャツにしちゃおっかな(笑)
シルクで刷りたいなァ。