見つけたレコードを買うか買わないか。
それはどこで決まるのか。
見つけた瞬間迷わず買うレコードがある。
その一方で、これどうしよっか?と迷うレコードがある。
ちょっと迷う場合と、大いに迷う場合。
迷った末に買うレコード、買わないレコード。
こんな気持ちあなたにはお分かりいただけるだろうか?
音楽が好きでそんな事ばかり考え、そんな雑誌やサイトやブログばかり見ていると、ついみんな音楽が好きで好きでたまらないのかと思ってしまう。
しかしどうやら普通の人は違うようだ。
あまりレコード屋さんCD屋さんには行かないようだ。
音楽にはあまり興味ない?
妻に聞けば「そりゃそうよ」とのこと。
どの範囲を普通とするかはなんとも言えないがと断った上で「年に何枚か買うくらいでしょ、ふつう」。
彼女、以前はそれなりに音楽には熱心だったが、私の存在によって関心が薄れてしまったという過去を持つ。
「だって、いつでも家で音楽がかかってるんだもの」
なるほど。
妻によれば普通の人があまりレコード屋さんCD屋さんに行かない理由は主に2つ。
1.そんなにCD欲しくないから
2.データで良いからiTunesStoreで
そっかァ(笑)
つまり「普通の人」はレコード屋さんにいく時は明確な目的を持って行くのだそう。
「あの人の新譜を買おう」というように。
となると当然迷う事は無い。
お目当てのモノを見つけたらすぐにレジでお会計。
おしまい。
迷わないんだな。
実にスマート。
時には目に隅に入った買うつもりのないCDに心惹かれ、思いもよらない誘惑に心迷わせる事もあるだろうけれど。
それはきっと日常の例外的な出来事なんだろう。
なるほど。
それにひきかえ、暇さえあればレコード屋に行く私は迷ってばかりだ。
そして迷う理由もさまざまだ。
そのレコードの欲しさだったり、値段だったり、盤質だったり、懐事情だったり。
明らかにレコードを買いすぎている月末などは、これでもかと迷う。
JACKIE AND ROY / SWEET AND LOW DOWN
このレコードを見つけてしまったときも大いに悩んだ。
大好きな「'S WONDERFUL」が入っているにしても今月はいろいろ買ってしまたから。
買わない理由を探した。
ジャケットの表はチョイキズくらいだが、裏はスレが目立つのでこれをマイナスと考える。
よし、いいカンジだ。
買わずに帰れそうだ(笑)
盤をチェック。
なんとミントだ、ヤバい!
マトリックスナンバーは両面1b。
6つ目のモノ盤、深溝でこれだもんな、ヤバい、ヤバい!!
しかしこの時点でも買わずに帰るつもりだったんだけど。
なのに(泣)
裏ジャケットの「Guitar_ _ _ _ _ _ BARNY KESSEL」の文字に脆くも私の自制心は崩れ落ちたのだった。
あのキュートな音色。
地味めなルックスなんで控えめかと思いきやしゃべらすと異常に面白いおじさんってかんじ。
参りました、ケッセルの旦那。
あなたが、レコード屋でレコードを手にしてじっと凝視したまま固まっている人を見かけても、そっとしておいてほしい。
それは私かもしれない。
ヤバい人とあからさまに避けないで欲しい。
それは未来のあなたなのかもしれないのだから。
だからといって優しい言葉をかけてもいけない。
これは私自身の問題で、私自身が解決しなければならない試練なのだから(笑)
っていうかそもそも行くなって。
ア〜ア。