レコード屋に行ったからには手ぶらで帰りたくないんです、基本的に。
何か持って帰りたいんです。
「レコードハンティング」なんて言葉もある通り、こちらは誇り高きハンターですからね。
手ぶらでは帰れません!(笑)
これ欲しかったんだよ!ってものが適価で発見できたならそれが最良の結果なんですが、必ずしもそうはいかないのです。
欲しいけど高い盤しかない。
これなら潔くあきらめがつくというものです。
安い!ってのがあれば迷わず買える。
そんな盤があったならそれはとても良い日です(笑)
困るのは、どうにも欲しい盤が見つからないとき。
とりあえず棚からは抜いたものの、今買わなきゃ!というような必然性や、聴きたい!という切実な衝動はそのレコードには無い。
その上、コンディションや人気など考慮すると、もうちょい安くてよくないか?と思ってしまう値付け。
「これ買お」って盤がすでに握られていればここであえて買うほどではないんだけど、他に適当な候補がないとなると…。
財布の中身を点検し、買うための良い言い訳を考えるんです。
自分の気持ちにどう折り合いをつけようか。
そして妻にはなんて言おうか、言い訳をひねり出す(笑)
心から欲しい盤ならそんなこと一切考えずにレジへ直行なんですけど。
しかし最近はこの辺で、財政事情が厳しいこともあって躊躇する気持ちがどんどん膨らみだし…。
今度は諦めるための言い訳を頭に用意することになるのです。
それ欲しい訳でもないし、またいつか安い盤が間違いなくあるだろうし、などなど。
そしてついには、やめとこっか、と棚に戻す(笑)
大人になったもんだなァ(??)
そして欲しいレコードが一枚も見つからないときも厄介です。
手ぶらで帰るのはやはり、ハンターとしてのプライドがありますからね(笑)
小さなお店で新着コーナーからジャズからロック、ブラックからCDの棚も一通り見たけどピンとこないとなるといよいよ追いつめられて、何とかならないものかと(笑)無理してクラシックまでチェックしてみたり。
それでもない時は…。
どうする?
実は一軒目で何もなくて、二軒目だったりして。
これはツラい。
今日は収穫無しかァ。
道すがらブックオフのCDコーナーも覗いて見ようか、とか考えながらとぼとぼ帰るのです。
レコードハンターもなかなかに厳しい世界です。
この写真のレコードはつい先日、棚では何も見つけられなくてあれやこれやと探したあげく、床置きの100均箱から救出したアート・ガーファンクルの二枚であります。
ジャケットに値札シール張られてるし…。
左の「Angel Clare」にはなんと6つ折りポスターがついてきました。
しめて200円なり。
しかも元のオーナーはほとんど聴いてないな、こりゃ(笑)
いろんな意味であんまりな扱いだとは思いますが、私の認識もかなり失礼なものであったことをここに懺悔いたします。
最初からポール・サイモンには興味を持ってLPからCDから集めておましたが、アート・ガーファンクルについては全くのノーマークでここまでまいりました。
おそらくこの値段でなければ決して手にすることもなかったでしょう。
サイモン&ガーファンクルの「その他一名」と決めつけておりました。
まったくもって失礼つかまつりました。
ここにはS&Gのナイーブで透明な世界がそのままありました。
ポール・サイモンが広い世界を目指して飛び出した後、あなたがこうして一人ひっそりと守っていらしたのですね。