デューク・エリントン。
サー・デューク。
常に新しい響きを探求し続けたミュージシャン。
「バンドが私の楽器である」
たぐい稀なるメロディメーカー。
希代のバンドリーダーにしてカリスマ。
ファッションセンスも伝説。
ジャズを聴かない人でもその名を知っている、ジャズ界の巨人ではないでしょうか。
ただ、いわゆるモダンジャズ、ハードバップからジャズに入った若造には長いあいだ縁遠い存在でした。
だって、スウィングやビッグバンドなんて古くさい過去のものと思い込んでいたのです。
「A列車で行こう」
ストーンズのライブ盤ではオープニングにかかってましたが、あれはどのライブ盤でしたかね。
高校時代にダビングしてもらったカセットを持っておりましたがアルバムタイトルも知らずに聞き込んでいました。
後年入手したLPで「このライブ盤だったんだ!」と驚いた記憶があります。
で、タイトルは何だっけ?(笑)
まあ、今でもエリントンの何が分かっているのか問われたら、いやァと頭をかくしかないです、正直言って。
エリントンを聴きだすきっかけは、コルトレーンとのインパルス盤した。
それだって買おうか否か相当迷ってエイヤっと購入した1枚です。
きっとがっかりするんじゃないかって。
それはたった500円の中古国内盤でしたが(笑)
あの枯れたモダンさというのか、独特の寂しさをたたえた静けさは「和」のテイストも感じられる程のモノトーン。
水墨画の世界にふっと立ち現れる朱や藍の音色。
古いとか新しいとか、そんな単純な言葉ではくくることの出来ない世界観。
まさにエリントンミュージックとしか言い表すことは出来ません。
写真は彼の'40年前後の名演を集めた「IN A MELLOTONE」。
MONO CLEANERとMONO WIPER(笑)でレコードを磨いていたら気付いたセンターレーベルの美しさ。
テクスチャが素敵。
黒にシルバーのコントラストが美しい。
ニッパーマークが実にチャーミング。
そして何よりこの盤に刻まれた音楽が最高です。
ホッジズ、ウェブスター、クーティー、ビガード、カーネイ…。
キラ星のエリントニアン達の絢爛豪華なジャズ絵巻(笑)
これを聴かずしてジャズを語るなかれ(大きく出た!:笑)。
欲を言えばもう少し音が良いといいのだけれど…。