思い返せば、THE BAND との出会いは中学校の頃でした。
それは音楽的な出会いではなく、同級生のお兄さんが「THE BAND」と入ったトートバッグを使っていたので、単に名前を知ったという出会いでした。
お兄さんはどうしてそんなトートを使っていたんだろう?(笑)
好きだった、と考えるのが普通ではありますが、80年代中頃の中学生がまさかねェ(ってこともないでしょうか?)。
きっと、ノベルティでもらっただけで何のことかも分からずに使っていただけ、と今の私は思うのであります。
私はと言えば「バンドなんてグループがあるんだ」とは思いましたがその程度の認識でした。
だって普通のロック少年でしたから、「ださい名前だな」くらいに思ってましたよ(笑)
私と THE BAND との音楽的な出会いは大学生の頃、「The Weight」、イージーライダーのサントラでした。
それまで割とタテノリのロックを中心に聴いていた私に、ヨコノリのレイドバックした音楽の良さを教えてくれたのがこのサントラだったのではないかと今にして思います。
きっかけはタテノリ系ステッぺンウルフの「Born To Be Wild」でしたが、レイドバックした「Pusser Man」にもぐっときました。
そして、ヨコノリの象徴的な1曲として「The Weight」があったのではないでしょうか。
ラストのフォークロックの名曲、「イージーライダーのバラード」も切なくて素晴らしいしなァ。
しかし、日本における THE BAND の一般的な知名度って、今やほとんど絶望的ではないかと思われます。
極僅かな音楽愛好家にひっそりと(?)楽しまれている、というかんじではないかと。
名前くらいは知ってても音をきちんと聴いたことのある人って相当少ないですよね。
世代によってもいろいろでしょうけれど、私の同年代でザ・バンドを聴いてる人ってほっとんど出会ったことがない(笑)
っていうか一人しか会ったことがないんです。
で、その一人はしっかりオリジナル盤をもっていた!
つまり、好きな人は「大好き!」、それ以外は「知らない」というそんな状況のようです。
だからどうだってこともないですけど、少し哀しい…。
THE BANDの普及のためにがんばろうとも思いませんが、少し哀しい…。
イージーライダーの後、THE BAND にじっくりと耳を傾けるようになるには、もう少し時間が必要でした。
それは20代の半ば、2ndアルバムに出会ったことによってでした。
これが決定的に良かったのですね。
出会いのタイミングというのも考えてみれば微妙ですね。
いろいろな音楽を聴いてきた20代の半ばというのが私には良かったのでしょう。
アルバムトータルで THE BAND の世界観がスっと私の中に入ってきた、そんなカンジです。
土臭い無骨な男たちが、農作業をしたり自分たちのログハウスを作り上げている、
そんな風景が浮かびます。
日の出とともに一日働いて、夜は簡素な夕食をとり、
コーヒーや少しのウィスキーとともにたき火を囲んで語り合う。
そんなとき、誰かが音楽を奏で出すような世界観。
で、今回ついに念願叶ってブラウンアルバムのオリジナル盤を入手いたしました!(涙)
ザラ紙ジャケットが嬉しい。
鮮やかな黄緑のセンターレーベルが美しい。
これまでは中古の国内再発シングルジャケット盤でしたので、ゲートフォールドの内側をみれるのも新鮮!(ここにも銀箱が:笑)
肝心のサウンドの方も、一枚ベールが剥がれたかのように各楽器のエッジがはっきりしていて素晴らしい!!
それぞれのヴォーカルもマイクの前に一歩出たって風に息づかいまで聴こえそうな迫力。
こりゃたまりません。
あらためて夢中になってしまいます。
こりゃまいったナァ(ってぜんぜんまいってませんよね:笑)
2ndアルバムと出会う前に、「一応押さえておかなければ」ってかんじでビッグピンクを持ってはいましたが、曲の単位では好きなものの、どうしてかアルバムではグっときておりませんでした。
実は、今でもビッグピンクをきちんと理解できていないような気がします。
その辺が今後の課題です(笑)
最後に、ブラウンアルバムのなかでも大好きな The Night They Drove Old Dixie Down のビデオでお楽しみ下さい。
この曲を聴くと、熱いものがぐっとこみ上げてくるような、涙がでそうな気がするのは何故だろう。
でもってこれはおまけ。