WILCO 待望の新作「SKY BLUE SKY」が5月15日にリリースとなった。
1カ月くらい前には彼らのオフィシャルサイトで全曲試聴可能になっていたが、CDが来るまで聴くもんか、とがんばっておりました。
3年ぶりの新作がやっと私にも解禁となりました。
実は全曲試聴可能になる前に、1曲試聴期間ってのがあって、「WHAT LIGHT」は聴いておりました(笑)
MP3ダウンロードができたので、iTunesに入れて聴き込んでいたんです。
1曲くらいいいですよねぇ。
この「WHAT LIGHT」がホントにいい曲でね。
60年代のボブ・ディランっぽくもあり、ラップ・スティールがス〜っと気持ちよく鳴っています。
ちょっとヤンキーホテル以前のWILCOっぽいともいえる名曲。
ざらついたアコースティックな質感が気持ちいいんです。
前作「A GHOST IS BORN」でオルタナ部門のグラミーをとったあと、新メンバーが加入し、その間メンバーのソロ活動もあり、長いツアーがあり、その集大成のライブアルバムは米各紙で絶賛。
この「SKY BLUE SKY」は、ライブで鍛え上げた新生ウィルコの真価を問うニューアルバム、な訳ですな。
「A GHOST IS BORN」とその前の「YANKEE HOTEL FOXTROT」は、完璧に作り込まれたオルタナティブにしてミニマルなポスト・ロックサウンドでした。
その雰囲気を期待して聴く人にはどうだろう?
ジム・オルークやソニック・ユースといった流れでウィルコに辿り着いた人にはあまり楽しくないかも。
楽しくないとは言い切れませんが、オルタナな雰囲気は弱まり、なんというか、当然ですが、バンドサウンドな訳です。
オルタナなWILCOに私もどっぷりとはまっておりましたが、オルタナカントリーの最高到達点ともいうべき名盤「BEING THERE」でWILCOと出会い、前身バンドともいうべきUNCLE TUPEROに遡っていった人間なので、今作もかなりよい出来映えです。
このCDには、箱庭的精密模型から壁を取り去ったら見えてきた広い世界、とでもいうような開放感があります。
まさに、「SKY BLUE SKY」。
「A GHOST IS BORN」や「YANKEE HOTEL FOXTROT」はもちろん素晴らしいけれど、そにずっととどまっていることはできないんだよなァ。
だよね、ジェフ。
レーベルとの契約問題、メンバーとの対立・葛藤、薬物依存。
「YANKIE HOTEL FOXTROT」以降、ジェフ・トゥイーディは実にいろいろなモノと戦い続けてきた。
「I am trying to break your heart」と宣言せずにはいられないくらい追いつめられてもいたのだろう。
そして今や、WILCOはアメリカを代表するバンドにまでなった。
そして今、ジェフはやさしく語りかける。
If you trying to paint a picture
But you're not sure which colors belong
Just paint what you see
Don't let anyone say it's wrong
ーWHAT LIGHTー
しかし、今作においてもロッキン・オンは完璧に無視を決めこんでいる。
洋楽各誌も同じようなものだろう。
なぜ?
私の知っている限り、唯一ミュージック・マガジンがWILCOを追いかけているくらい。
最新号にレヴーがのってます。
ザ・バンドやデッドの「アメリカン・ビューティー」などを引き居合いに出してのベタボメ状態。
まあ、ザ・バンドやデッドより、もっと素直に、ディランにビートルズ、ニール・ヤングのほうがよっぽど分かりやすいし直接的じゃん、と思いますが、まあいいか。
「ザ・バンド」に「デッド」、そしてWILCO。
どれも日本では売れてないよね〜(笑)
驚いたのは、東京メトロのフリーペーパー「metropolitana」で「SKY BLUE SKY」がお薦めされていたこと。
ライターの方の一方的な好みだとは思いますが、嬉しかったなァ。
オオ!こんなところにWILCOの記事が!って。
これをきっかけにCD買う人がいたらいいなァっておもいました。
しかし、東京メトロっていくつフリーペーパーだしてるの??