BRUCE WEBER つながりの JACKSON BROWNE |
09:33 |
40代以上の音楽ファンには、ジャクソン・ブラウンといえば「Late For The Sky よく聴いたなァ」と青春の日々を思い、遠くを見つめる方も多いかもしれません。
それより少し若めで、シンガー・ソングライター世代ではない私にとって、割と最近までは馴染みの薄いミュージシャンでした。
なにしろ、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルにスケーター、パンク・ロック・リヴァイバルで育ったもので(笑)
そんなですから、当時シンガー・ソングライター、AORなんていわれても、ピンとくる訳がない。
そんな私もいいカンジに年を取り、その間一生懸命音楽を聴き続けてきた甲斐もあって(?)、今まで見向きもしなかったような音楽に改めて出会い、これまでの自分がいかに偏って選り好みをしてきたかに思い至り、もったいないことをしてきたなァと反省しきり。
ジャクソン・ブラウンと私の出会いを遡ると、意外なところにあるのですが、NICOの「CHELSEA GIRL ('67)」なんていってお分かりになる方がどのくらいいるかな?
NICOとはVELVET UNDERGROUND & NICOのニコです。
彼女がVELVET を離れて発表した1st ソロアルバムにジャクソン・ブラウンは数曲を提供しているんです。
ニコのあの声もあり全体に、クールというか非常に寒〜い暗〜いアルバムですが、一時期これにハマリました。
その頃彼は弱冠16才だったというから驚き。
彼の代表曲の1つである「These Days」もニコ・ヴァージョンで収録しており、ファンの方は聴いてみるのもよいかもしれません。
前置きが長くなりましたが、今回はジャクソン・ブラウンの'93年発表の「I'm Alive」の紹介です。
近所のブックオフで250円はあんまりだァ〜。
このカヴァー写真は前回の記事で触れたブルース・ウェーバーなんです。
このモノクロのポートレイト、いわれてみれば、ナールホド、ブルース・ウェーバーの「色」ですよね。
このアルバムの冒頭、「I'm Alive」のギター・イントロからして素晴らしすぎる。
まっすぐなフリーウェイをイメージさせるギターに、大きな空のように気持ちいいリズム。
爽やかでありながら、夕暮れのような寂しさも同時に感じさせてしまう、ジャクソン・ブラウンのヴォイス。
「I'm Alive」は次のような1行ではじまる。
It's been a long time since I watched these lights alone
タイトルからも分かるがこの時期彼は相当にハードな別離を体験したらしい。
ジャケットのポートレイトからは吹っ切れたカンジがヒシヒシと伝わってくる。
憑き物が落ちた、とでもいうような。
こういう写真ってホントどうやって撮るのだろう?
きっとテクニックとかを超えた心の通い合いがあるのかな、なんて考えはロマンティックにすぎるのだろうか?
ごくごくありきたりの中年ロックなんて風に聞き流してはマズいです。
酸いも甘いも噛み分けたベテランが、隅から隅まで細心の注意を払って作り上げている会心の1枚。
ヒジョ〜に精密に構築されていながら、耳当たりはあくまでソフト&メロウ。
妻いわく「いわれなければそんな風には聴かないし、いわれてもそんなものかな?程度」だそう。
まあ、良いのですが(泣)
みなさまも機会がありましたら是非とも聴いてみてください。
映像も音も今イチですが、デヴィッド・リンドレーとやっているライブです。
せめてもう少し音がいいとなァ。