全国のレコードコレクターの皆様こんにちは。
本日はレコードジャケットの印刷方法に関する私なりの推測をご披露させて頂こうと思います。
古いジャズのレコードを集めているような酔狂な人なら、レコード屋さんなどでジャケットを見ていて、「あれ? 同じレコードの同じジャケット写真なのに、どこか雰囲気の違うものがあるぞ?」なんて思ったことはありませんか?
ふと「どうやらステレオ盤とモノラル盤では写真の使い方がかなり違ってようだ」なんて。
そんな疑問が解決する日がついにきたのです!(笑)
ステレオ盤とモノラル盤のジャケットを並べてみましょう。
すると、思った通りステレオ盤とモノラル盤では写真のトリミングの仕方が全然違う!
これはもちろん、かなり重症のコレクターがかかる名誉ある(?)病ですね(笑)
上の写真はマイルス・デイビス「サンデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」。
コロンピア・レコードから1961年にリリースされた、名盤中の名盤ですね。
ちなみにマイルス御大、コルトレーンともに35歳時の傑作です。
録音時のミュージシャンの年齢なんてほとんど意識しないので新鮮でしょ(笑)
しかもこの2人が同じ年なんて恥ずかしながら初めて知りました。
このレコードは名録音でも有名です。
私はこれのステレオ盤をオーディオチェック用に使用しております。
このジャケット、印刷物としてはこのような状態での刷り上がりなのだと推察されます。
これを青線、緑線でカットします。
そうすることによりステレオとモノラルのジャケットを別々に用意する必要がなくなるという訳です。
ステレオとモノラル、それぞれの売り上げ枚数に応じてジャケット写真を切り分ければ、臨機応変に対応できるという優れた方法ですね。
左の写真はリバーサイド・レコードからリリースされた、ビル・エヴァンス「ポートレイト・イン・ジャズ」のモノ盤です。
ジャケットの裏側上部を裏から見ると、「ステレオ」という文字がちょこっと覗いております。
これでリバーサイドもコロンピア・レコードと同じ印刷方法でジャケットを製作していたことが分かります。
またコンテンポラリー・レコードでもこの写真のようにやっていますので、各社、ジャケット印刷時にはこのような方法でコストの削減をはかっていたのですね。
この手法を使わなかったレコード会社としては、ブルーノート・レコード、インパルス・レコードがあげられます。
このへん贅沢な感じがしますよね。
ある種の誇り高さすら感じるのは私だけでしょうか。
これだけ聞くと当然、
さすがブルーノート!
さすがインパルス!!
なんて誉めたくなってしまいますがそう誉めてばかりはいられないのです。
つまり、この2社の場合はステレオとモノラルでジャケットを別々に印刷するので、売れ行きの見込み違いが生じた場合どちらかのジャケットが余ってしまうなんてことが生じてしまいます。
でも会社としてはロスはできるだけだしたくない。
で、どうしたか?
シールを張って対応したんですねェ。
つまり「モノラル盤のジャケットが余ってしまった!」という場合、「ステレオ」ってシールをベタッと貼付けてしまうという強引な方法をとるのです。
う〜ん、これでいいのか?
もちろん、ようは足りてるけれど…、こうなるとコロンビアのほうがスマートなやり方に思えてきます。
とはいえこれはオリジナル盤でのはなし。
コロンビアなどで後年、レコードを再発するときにはジャケットデザインで多少は苦労したでしょうね。
ステレオ盤とモノラル盤どっちのジャケでいくか? なんて会議が開かれたかもしれないと思うと少し笑えます。
それとも何にも考えずに手元にあるどちらかを使ったのかな?
(イメージを刷新するために、まったく別のジャケットに差し替えてしまっている例もありますが、これはまた別の厄介な問題です。)
再発する際には多くの場合、音源もステレオを使用するためステレオ盤のジャケットデザインを使っているようです。
国内盤の場合には、最初からステレオ盤&ステレオジャケットでのリリースが圧倒的なため、オリジナルモノ盤と比べると下の部分が2センチくらい切れた状態になってしまうのです。
つまり、マイルス・デイビス「サンデイ〜」の場合だと、女性の青いドレスは永遠に見ることができないという…。
そうなると青いドレス見たさにオリジナルモノ盤がほしくなったりして…やはり病気ですね。
今回は、
67camperさんのブログに触発されて書きました。
ありがとうございます。
またモノ盤の写真は67camperさんのブログよりお借りして私のステレオ盤のと合成しています。
67camperさん、モノシステムの調子はいかがですか?