MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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片岡さんと村上さん 07:23

自分の好きなモノが他人に評価される場合、嬉しいときと嬉しくないときがある。
自分の着ている服を褒められるなら、おシャレな人とそうでない人、どちらに言われたいだろうか。
私は、おシャレな人のほうが断然嬉しい。
もちろん、お洒落でない人の場合だって必ずしも嬉しくないわけじゃない。

あるいは、あなたが一般的にはマイナーな何かが好きで、それがある日にわかに売れ出したり注目されたときどう思うだろう。
「嬉しい」か、「まいったなあ」か。
先見の明があると自分が褒められたように嬉しい場合と、自分だけがひっそり好きでいたかったのにチェッ、と思ってしまうこともある。

片岡義男をご存知だろうか。
40歳以上であれば、若いころ読んだことがある人も多いだろう。
角川文庫コーナーの一段が、彼の真っ赤な背表紙で占められていたことを、多くの人がイメージできるのではないか。

私はこの数年片岡義男という作家を再発見し、こつこつ古書店で探しては読んでいる。
80年代においては大変な人気作家であったが、今その頃の本を入手することは思うほど簡単ではない。
なぜか?
売れすぎたからである。
売れすぎたが故に中古市場にはたくさんでものがあるのだろう。
出物の割に売れ行きはおそらく悪いのではないか。
残念ながら。
そのため古書価値は低く、その結果店頭にはあまり並ばない。
なので入手はいくぶん困難だが安価である。

大好きな作家が、一般にあまり評価されていないと感じるのはさみしい。
そういえば流行ったよね、みたいな反応も悲しい。
過去の流行作家として読まないなら、あまりにもったいない。

片岡さんという人は言ってみれば、村上さんの十年以上前にそういうアメリカン・ウェイ・オブ・ライフを実践していて、たぶん反発はもっと強かったと思うんです。片岡さんの評論を最近大学のゼミで読んでいるんですが、片岡さんはアメリカと日本、それから英語と日本語に関する評論をずっと書いていて、今になってやっと片岡さんが小説でやろうとした気持ちが理解できたような気がします。当時僕たちは風俗として読んで「こんな風俗あり得ない、何キザなこと言ってるんだい」って思たわけです。でも60年代だから、70年代よりさらに湿気た日本の風土の中で、翻訳に近い言葉で小説を書くというのはすごく戦闘的な態度だったと思うんです。サブカルチャーに信頼を置いた、きわめてアンダーグラウンドなものだった。でもそうは読まれなかった。マスカルチャーの方で映画とタイアップとか角川商法に乗る形で消費されたことで、ある意味早すぎたのかなっていう一面があったと思うんです。彼はアメリカは何かというと「言葉」だと言ってるんです。つまりアメリカは言葉の国で、まず最初にフリーダムという誰も説明できない言葉がある。アメリカはまず言葉という概念からはじまって成り立っている国だと言うんだけど、その通りだと思うんです。ある意味転倒しているそういう形の国があって、でも日本でも別の意味での言霊(ことだま)の国だから、違った種類の言葉に依ってできている国がくろすしたことの悲劇みたいなことがあったと彼は主張していたんですね。


これは、翻訳家柴田元幸との対談における高橋源一郎の発言である。
「片岡さん」とは片岡義男であり、「村上さん」とは村上春樹である。
この文章を読んだときは嬉しかった。
私は、村上春樹は直接的あるいは間接的に片岡義男の影響を受けているのではないか、と考えてきたのだ。
そんなことを論じている人をあまり知らなかった。

そう、片岡義男は大変重要な作家なのである。



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Comment








Pluto76さん、どうも!

正直に申しますと、高橋さんの小説は読んだことがありません。
まじで。
お恥ずかしい。
高橋さんは、作家であり評論家であり先生、なんですかね。
posted by mono-mono | 2013/11/25 8:55 AM |
audi1356さん、どうも!

バイク、車、憧れました。
そして「都会」や「大人の女性」にも(笑)
posted by mono-mono | 2013/11/25 8:53 AM |
こんにちは。

本筋から逸れますけど、高橋さんってインタビュー側にまわると
とてもいい感じになりますよね。
この本もよかったし、『文藝』2009春号の柴田さん特集でのインタビューもよかった。
あと新人賞受賞者へのインタビューやブローティガンのあとがきなど……。

作家より評論家ではないかとさえ思っています(笑)。
posted by Pluto76 | 2013/11/23 1:15 PM |
mono-mono さん、こんにちは。

私も片岡義男は好きで当時かなり読んでいました。
免許も持っていないのにバイクがほしいと真剣に思ったり。

うろ覚えですが、氏のエッセイの中に「暇つぶしに英語の辞書(いわゆる英英辞典)を先頭から順に読んでいく」みたいな記述があり、英語を苦も無く読む人に憧れたものです...
posted by audi1356 | 2013/11/23 11:15 AM |
ニブさん、お返事遅くなりすいません。

高橋源一郎の発言を引用したのは「小説の読み方、書き方、訳し方」という本からです。
これなかなか面白いですよ。
posted by mono-mono | 2013/11/22 8:37 AM |
片岡さん村上さん共にアメリカ小説を(原語で)研究している人ですね。柴田さんはもともと研究者ですし。
posted by ニブ | 2013/11/18 10:52 PM |
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