MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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何にもしないで生きていらんねぇ 08:53

ECDの「何にもしないで生きていらんねぇ」を読んだ。
ECDとは、日本のヒップ・ホップ黎明期から活動を続けるラッパーだ。
この本を読んで、音楽を聴きだした頃の衝動やいろんな想いがこみ上げてきた。
なつかしかったり、ハっとしたり、そうそう私はロックにこんなことを期待していたんだ、とかいろいろ。
かつて私の中にあって今ではすっかり忘れてしまっていたなにか、が刺激されたようだ。

ECDは徹底的な個人主義者で、徹底的に反権力である。
凄い。
格好良い。

でも、人のことを、「凄い」「格好良い」なんて羨んでばかりいられない。
そんなことを痛烈に感じてしまった。
私だって「格好良く」なりたい。
格好良く生きるには、何かと正面から闘わなきゃいけないんだ、きっと。


「何にもしないで生きていらんねぇ」の、こんな言葉に私はグッときた。


僕は今でも週に2回はレコード屋に行く。中一の頃からずっとだからもう35年になる。それだけレコード屋に通いつめていると、中古盤のエサ箱を漁っていても、見たことのないレコードに出会うことはまれだ。知らず知らずのうちにジャケットを記憶してしまったレコードは膨大な数にのぼる。そのほとんどを僕はまだ聴いていない。悲しいことにそんな聴いたことはないけれど見たことはあるレコードは、目にしたり手に取ったりする機会が増えれば増えるほど実際に聴いてみようという興味は薄れてゆく。ジャケも内容も未知のレコードのほうが冒険して買ってみようという気になる。

自分が好きだったジャンルの音楽をある日聴かなくなる、ということがある。時には聴いていたことを自分の恥部のように隠してしまうこともある。そういう場合、聴かなくなったのも人目を気にしてのことだったりする。そのジャンルの音楽に飽きたわけでも嫌いになったわけでもない。そのジャンルの音楽を聴いていることを公言できなくなるのだ。悲しい話である。(中略)その頃を境に僕はヘヴィ・メタルのレコードを買わなくなった。

「こうしちゃいれらない!」。これが初期衝動の出発点だとすれば、76年〜77年にかけて、セックス・ピストルズは世界中の若者をそんな気分にさせてしまった。そしてピストルズに触発された彼ら彼女達は、楽器の弾き方を覚えるのも時間が惜しいとばかりにとにかくヘタでもいいから音を出そうとした。変な話、ピストルズはそこそこ上手いバンドだ。だから、彼ら彼女達はピストルズのコピーすらしようとしなかったし、できもしなかっただろう。そんなやぶれかぶれなバンド達が世界中に産まれていると想像するといてもたってもいられない気分だった。まぁ、ロンドンやニューヨークから東京に届く音は一応、それなりの商品として成立するものにはなっていた。とにかくヘタでどうしようもないというウワサだったサブウェイ・セクトやスリッツも届いた音楽はマトモな音楽に聞こえた。僕はもっとヒドい物が聞きたかった。

もはやTV全体がなにかしら隠された意味を持つ政府公報にしか見えない。というか、僕はもう、TVをそんな風にしか観れなくなってしまった。逆に言えば、TVを観ていると権力が何をしたいのか実によくわかる。その手に乗るもんか、と思うのである。

僕は最近よく目にする「反貧困」というスローガンを支持しない。僕は世間に流布される勝ち組だけが幸福で負け組はひとり残らず不幸だという迷信を信じない。でっちあげられた貧困への恐怖は、人々を必要以上に働かせ、必要以上に消費させるだけだ。最低限の生活の中に幸福を求めようとする者がことごとく『蟹工船』のような過酷な環境に追いやられるわけではない。それは今も昔も変わらないと思う。貧乏人が増えて困るのは、そのために税収が減る支配する側の人間だ。「反貧困」は支配者にとってこそ、都合のよい言葉なのだ。僕たちは貧困を手放すべきではない。

僕はガキと不良が大嫌いだ。何をしても世の中から大目に見てもらって当然だと思っている。それがガキだ。大人になってもガキなのが不良だ。そしてあいつらがヤンチャするのは大目に見てもらえる間だけだ。二十歳になったらまともになるとか言って、ちゃっかり、卒業しやがる。まれに卒業しないのがいて、そういうのはヤクザや芸能人や右翼になる。ヤクザも芸能人も右翼も嫌いだ。なんだかんだ言っても権力とうまくやるからだ。
「ロックは不良の音楽だ」などと言われる。大間違いだ。不良=ヤンキーは、いつの時代も多数派であり、世の中の主流で強者である。つい、この間も、76年〜77年のロンドンのパンクスを日本の暴走族みたいなものだなんてことを書いていた人がいたがまったく違うと思う。日本でパンクに呼応したのは暴走族に代表される、ヤンキー層=不良ではなかった。ロンドンのことは知らないが、日本に関してはそう断言できる。(中略)
「不良じゃなくて不良品」。イルドーザー・阿部周平の名言である。そう、パンクスは不良じゃなくて不良品なのだ。だから二十歳になったからって、卒業なんかしない。マトモになりたくてもその能力がない。

音楽ですら、それが金になる、つまり、食うためにする価値のあることになってしまうと、労働として、マジメにツマらなくやらなければイケナイかのように思わされてしまうことがある。まだ金にならないうちからでも、それで食うことを目指しただけでも、もうそこで、音楽は労働に姿を変えてしまう。練習スタヂオでそんなバンドを見かけることがある。全員イレズミだらけなのに妙に規律正しくて、上下関係なんかもキビしそうで…まあそれは想像でしかないか、いや、そうでもない。実際にメンバーがキビしく叱る声を聞いたこともある。とにかく、全員シカメっ面をしていてちっとも楽しそうじゃない。悲壮感だけが頼りなのだろうか。大きなお世話かもしれないが楽しくないんだったら音楽なんてやめてしまえと思う。(中略)確かに現実にはどうやっても苦痛にしか感じられない仕事、作業、労働というのはある。しかし、なにもよりによって音楽をそんなものにすることはないだろうと強く思う。



あらためて抜き出したらけっこうな分量になってしまった(笑)。
そのくらいドカンときた本だった。








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Comment








「何にもしないで生きていらんねぇ」を是非ともお手に取ってみていただきたいっす。
文章がとてつもなく簡潔で的確で素晴らしいのです。
しびれます。
posted by mono-mono | 2012/12/08 8:06 PM |
うんうん、と頷きながら読みました。いや、我が意を得たりですね。言いたかった事を代弁して頂いた感じです。
私も一応反権力、個人主義を標榜してますけど、そういう生き方を貫くのが益々難しい世の中になってきましたね…
posted by ひで | 2012/12/08 2:11 AM |
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