MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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あなたならどうする? 針飛びレコード編 12:13

シュリンクラップのかかった「フォア&モア」を私が手にいれることができたのは、幸運以外の何ものでもない。
見つけたのは、とある中古ジャズレコード専門店のバーゲンコーナーだった。
壁にはブルーノートの有名盤が数十万円で飾られているような店なのだ。
それは一瞬目を疑う光景だった。
シュリンクラップのかかった「フォア&モア」が床に置かれたバーゲン段ボール箱に押し込まれていたのである。
中古ジャズレコード専門店に足を運ぶような人なら誰だって、このレコードをだまって見過ごすなんてことはできないだろう。
なにしろ「マイルス・デイヴィス、」「フォア&モア」「モノラル盤」なのである。
バーゲン箱に突っ込まれているのだから、盤の状態が必ずしも良くないことは想像がついた。
問題は、どのくらい悪いのか、である。
とはいえまさか、針飛び盤ということもないだろう、と私は思った。
となれば検盤する前に、私は買うことをほぼ決めていた。

店主にことわってレコードをチェックさせてもらった。
ジャケットは何しろ「シュリンクつき」であり問題ない。
ここで肝心なのは、レコード盤の状態だ。
コンディションは全体として思ったよりずっと良い状態だった。
こまかいキズがちょこちょことあったがそれは予想の範囲内である。
ただし一カ所、気になるところを発見してしまった。
鉛筆の頭くらいの大きさで、にぶく光を吸収しているところがあった。
まるでブラックホールのように(笑)。

「このキズは危ない」
針飛びするかもしれない。
そう思いながら、何度も角度を変えて盤を眺めてみる。
そんなことをしてみても、気になる箇所が小さくなる訳でも無くなる訳でもないし、針飛びするかしない確認できるのでもない。
思いきってカウンターの向こうの店主に針飛びについて尋ねてみた。
「たぶん大丈夫だと思うよ」と気の無い返事。
店主はこのレコードの状態をきちんと確かめているのだろうか?
あるいは針飛びを知っていてすっとぼけているのだろうか?
壁にはブルーノートの有名盤が数十万円で飾られているような店なのだ。
結局は「バーゲン箱のくずレコード」ということなのだろう。

どうする? と私は自分に問いかける。

おそらく私がフォア&モアのシュリンク盤を手に入れるチャンスは今しかないだろう。
マイルスの人気盤であり、廃盤レコード界において決して安くないレコードなのだ。
針飛びがあるか、ないか、ウ〜ん…。
決断のときだ。

「これいただきます」
いや、正直に言えば、迷うふりをしただけであった。
迷うまでもなく、このレコードを手にしたときから買うことは決まっていたのである。

覚悟の上だったとはいえ家に帰り、レコードを聴いて実際に針が飛んだ時にはかなりがっかりした。
そう、針飛びしたのである。
ため息とともに、やっぱりか、と思わざるを得なかった。
モノラルカートリッジの針圧を上げて試してみても針飛びに変化はなかった。
飛ぶものはしょうがない。
ならばキズを直すのみだ。
入念にレコードを磨いた後、私はルーペと爪楊枝とマチ針を用意した。

レコードをルーペで覗いてみる。
拡大されたレコードの溝は美しい。
肉眼ではまっすぐな溝が整然と並んでいるように見えるが、拡大すると溝それぞれが独自のカーヴで左右にうねっていることが分かる。
その美しくも不規則に並ぶ溝の中、半分くらいの高さにつぶれているところが見える。
そこが針飛び箇所のようである。
爪楊枝を手にし、とがった先を溝にそって滑らせる。
キズの部分にさしかかると、手に軽い振動が伝わって来る。
ごく小さな「カリっ」というような感覚だ。
それを数回繰り返す。
そのたびに手に小さなキズの手応えが伝わってくる。

再びレコードを聴いてみる。
軽いキズの場合にはこれの程度で直すことができる。
今回、爪楊枝では直らなかった。
次はマチ針の出番だ。

レコードは弱い、と思っている方が多いだろう。
確かに、落としたり、堅い何かが当たったり、うっかり爪で引っ掻いたりすれば簡単にキズがついてしまう。
実際レコードはキヅつきやすい。
キズは再生の際にぷつぷつとノイズを生む。
これは悲しい。
しかしレコードは、溝レベルでいえば大変に丈夫なメディアだ。
レコードを聴くという行為はダイヤモンドなみに堅い針で、溝を引っ掻くということだ。
LPは3分間に100回転する。
1秒間におよそ50センチ以上進むようだ。
そのような回転スピードを想像してみれば、相当な引っ掻き具合だということが分かる。
数十年前に作られたレコードは、いったいこれまでに一体何度引っ掻かれ、聴かれたことだろう。
それでもレコードの音はさほど劣化することなく平然と音楽を鳴らす。
レコードはキズに弱いが、レコードのミゾはとても強いのだ。
そして、ミゾは強いだけでなく美しい。

私は手にした爪楊枝をマチ針に持ち替えてキズの部分を再び修正する。
やることは爪楊枝のときと同じ。
マチ針を溝に沿って軽く滑らせるのだ。
むやみに力は加えてはいけない。
溝に沿わせて針を滑らせてあげれば良い。
これを数回繰り返し、レコードを再び再生してみる。
すると、針飛びはなくなった。
プツプツとノイズは入るが、これで音楽が楽しめる。
心からマイルスの音楽を楽しむことができる。

MILES DAVIS / "FOUR" & MORE, RECORDED LIVE IN CONCERT (CL 2453)
コンディションは、<ジャケット:NM><盤:VG−>といったところだろうか。









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Comment








魔法をしんじますさん、どうも。

良い買い物ができました。
っていうかヴァンダイクパークスのプロモシングル、あれ凄いっすね、コンディションもピッカピカみたいだし。

この時代のモノ盤はステレオ盤よりジャケットが良いです(笑)。
posted by mono-mono | 2012/07/16 8:33 AM |
良い買い物されましたね!
この時代のモノラルは意外と良いと友人が言っていたので、
気になってました。
posted by 魔法をしんじます | 2012/07/15 8:17 AM |
haTshさん、どうも。

ハイ、すべてではありませんが、レコードのキズは直せるんです。
ビニールでできているLPやシングルといったレコードはあまりすり減ったりしない、というのがレコード好きの認識です。
シェラック製のSPは減るようですが。
なのでレコードはガンガン聴いてこそ持っている価値があると思います。

>最高何枚同じレコードを持っていますか?
ビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」をLP3、CD3ぐらいです。
シェリー・マン「マイ・フェア・レディ」は通算10枚以上買いました。
今手元には2枚です。
コレクター的には大した数ではありませんが、一般的には十分ですよね(笑)。
posted by mono-mono | 2012/07/14 11:23 PM |
レコードの傷って直せるんですね、意外。
レコード盤を大事にしようとするなら、
変な話聴かないでおくのが一番なのかしらと思っていたので
自ら削るというのはなんとも言えず面白いです。

レコード好きの人たちはやっぱりいい盤や
興味深いバージョンを見つけると手が伸びてしまうんですね。
mono-monoさんは最高何枚同じレコードを持っていますか?
posted by haTsh | 2012/07/14 9:39 PM |
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