MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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BOOK5 13:23

yomunelさんのブログで、「片岡義男.com」というサイトがあり、少し前から毎朝5時30分に1つのエッセイがアップされるようになっていることを知った。

毎朝、片岡義男の本を本棚から1冊選び、エッセイを1篇ずつ読んでいけばいいではないか。それとおんなじことではないのか。でも全然違うんだな、これが。トーストを焼き、コーヒーをいれて、さてさて今日はどんなエッセイがチョイスされているんだろうとわくわくしながらホームページを開く楽しみがある。

まったくである。

たしか浅井慎平さんだったとおもうのだが「街角でふいに聴こえてくるビートルズは格別」というようなことをおっしゃっておられた。
自分から読んだり聴いたりするのとはちがう不意打ちの良さって確かにある。

その日は五反田で古書市の日だった。
ちょっと早めにでて、途中にあるスイッチコーヒーで一杯頂こうと思ったのだ。
9時すぎに自転車で家を出た。
スイッチコーヒーに着いてみると、残念ながら10時開店だった。
開店まで待つか、はやく着いてしまうが古書市へ行くか、迷いつつも古書市へ。
南部古書会館一階のガレージセール会場はすでに大盛況だった。
二階への階段にも行列ができているではないか。

ビックリポンだ。

古書市の初日、朝一にきたことはそう言えば無かったのでこの熱気には驚いた。
圧倒されつつガレージのすいているはじっこの本をながめて時間をつぶす。
10時15分くらいになって、二階も少し落ち着いてきたかな、と二階へ上がってみた。

古書市ではいつもそうなのだが、書棚と、皆さんの熱気に慣れるのに時間が必要なのである。
本の背表紙の文字が上手くとらえられない。
あちらの棚、こちらの棚と気がはやってしまいきょろきょろしてしまう、落ち着かない。
そんな中、私の目に飛び込んできたのは、ひとやまかかえたお兄さんの本の中にあった一冊の背表紙だった。
そこには、片岡義男「ぼくはプレスリーが大好き」があった。

なんてこった、三一書房の初版じゃないか。

ゆずってくださいなんて言えないし、お兄さん書棚に戻さないかなとも思うが、おシャレ系古書店でもやっているんじゃないかという雰囲気の方であった。
残念、無理そうだ。
せめてあれがいくらだったか知りたい気もするが、知らないほうが良い気もする。
でもってお店ではいくらで売るのかな?
むしろそっちの方が知りたいかも。
その日の収穫は、柳宗民「雑草ノオト1・2」、大竹 伸朗「聴こえない音、見えない絵」のサイン本。
そうそう、帰り道にある古本屋さんで島本理生のサイン本も見つけた。
ラッキー。

「片岡義男.com」を見ていたら、片岡義男を特集した「BOOK5」というリトルプレスがあることを知った。
2014年1月号である。
知らなかったのがとてもくやしい。
特集のタイトルは「私たちは今日も、片岡義男を読む」。
堀江敏幸、大竹昭子、津野海太郎などのといった書き手の名前が並んでる。
猛烈に欲しくなってくる。
BOOK5を出しているトマソン社のサイトをみると、渋谷のブックファーストで最新号を扱っていることが分かった。
あそこならきっとバックナンバーもあるに違いない、と猛然とダッシュしてしまった(笑)。
そして入手できたのは写真の通りである。
嬉しい。


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ジャズタモリ 13:23

こんな特集がでてたんだ!と嬉しくなった「ジャズタモリ」。
いかに日常から書店が失われているか、ということの証明。
スイッチは勝手に休刊したと思ってたがそうではなかったのか。
不幸中の幸いというか、月刊紙からムックになってたので入手できた。
ラッキー。
ふつう、雑誌だと店頭には最新号しか置いてないからね。

特集では、タモリがジャズ喫茶ベイシーを訪れたある夜のことが記録されている。
ベイシーのシステムで爆音の「フォア&モア」か、体験してみたいものだ。
前から気になっていた、ベイシー店主菅原さんとの関係も、なるほどよくわかった。
ビッグバンドの先輩後輩にしてその後もずるずるのあいだがら。

ベイシーのオーディオを紹介するベージにある、ターンテーブルに載っているインパルス盤はなんだろう?なんて(笑)。

で、私はいつジャズ喫茶ベイシーに行くのか。
行けるのか。
えいやっと行くしかないのだろうが、、、。




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自分をほめてあげたい 09:45
THE SILENT AMBASSADOR OF YOURSELF
久しぶりに足を運んだ五反田の古書展で、びっくりするようなものを見つけてしまった。
手にとって「お?」と思い、ページをめくった次の瞬間「おお!」と一気に盛り上がった。
その後も手の中の冊子を見直しては「オ〜」っと幸せな気分を確認してしまった。

見つけた自分をほめてあげたい。

これは印刷会社の印刷見本である。
10センチ角で20ページほどの小さな冊子だ。
表紙には「THE SILENT AMBASSADOR OF YOURSELF」とある。
ベージュのしっかりした紙に、余白をとった欧文がならぶ極めてシンプルな印刷物である。
裏表紙に「17.NOV.1984」という判(あるいは手書き?)が押してあるのは、発行日だろうか、入手日だろうか。

嘉瑞工房の印刷見本
この冊子は、飯田橋にある印刷会社の印刷見本である。
その名を「嘉瑞工房」という。
ではこの嘉瑞工房(カズイコウボウ、The Kazui Press Limited)とはどんな印刷会社なのだろうか。

嘉瑞工房は、昔ながらの金属活字を使用した活版印刷の会社です。海外の活字鋳造会社から直接輸入した品質の高い欧文活字を多数保有し、端物印刷物を主に制作しています。名刺、レターヘッド、封筒などはもちろんのこと、招待状のような社交用印刷物や、フォーマルなディプロマ(賞状類)なども得意としています。
欧文タイポグラフィのルールにのっとった、海外でも通用する本格的な印刷物を提供しています。もちろん和文印刷にも対応しています。
嘉瑞工房は戦前から続く活版印刷工房ですが、大量の印刷物を安価に生産することを目的とした印刷会社ではありません。むしろ、少量でも時間をかけて質の高い印刷物を作ることをモットーとしています。
活版印刷は産業としては衰退してしまいました。日本だけでなく海外でも多くの活版印刷業者が消えていきましたが、嘉瑞工房は今も健在です。コンピュータ組版で便利になった反面、熟練した組版工の技術や知識が伝わらず、組版の質の低下を招いてしまいました。これは海外でも状況は同じようです。そんな今だからこそ、より良い印刷物、質の高い本物のタイポグラフィが求められるようになってきました。嘉瑞工房の存在意義はむしろ高まっているように思えます。
タイポグラフィとは“印刷用の書体を使って、読みやすく美しく文章を並べる”ことです。最も狭義の定義は“活版印刷術”そのものを指します。嘉瑞工房は、タイポグラフィの基本をしっかりとふまえたうえで印刷物を制作しています。
<嘉瑞工房ウェブサイト「概要」より>

嘉瑞工房現在の社長は高岡昌生さん。
前社長にして相談役は高岡重蔵さん。
二人はともに日本を代表するタイポグラファーである。

「文字というのは読むためにある。記録するためにある。だから、読みよくなければならない。形だけで遊んじゃ駄目。平凡でも、内容にふさわしい組版をしなきゃいけない。これがタイポグラフィの原則だと教わった。」
<高岡重蔵>


以前このブログで「詩集 妖精の詩」入手の顛末を書いた。
この「世にも美しい本」の文字組みは嘉瑞工房の仕事なのだ。
これを組んだ職人が廃業してしまっているため、今となっては2度と同じものを作れないという貴重な本である。

私はこの冊子を古書展会場の棚から引き抜いたのだ。
ショーウィンドウに飾ってあったのでもなければ、平置きされていたのでもない。
背表紙もない簡素な冊子を、自分の手で探し出したのだ。

たいしたもんだ、自分!(笑)。


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片岡さんと村上さん 07:23

自分の好きなモノが他人に評価される場合、嬉しいときと嬉しくないときがある。
自分の着ている服を褒められるなら、おシャレな人とそうでない人、どちらに言われたいだろうか。
私は、おシャレな人のほうが断然嬉しい。
もちろん、お洒落でない人の場合だって必ずしも嬉しくないわけじゃない。

あるいは、あなたが一般的にはマイナーな何かが好きで、それがある日にわかに売れ出したり注目されたときどう思うだろう。
「嬉しい」か、「まいったなあ」か。
先見の明があると自分が褒められたように嬉しい場合と、自分だけがひっそり好きでいたかったのにチェッ、と思ってしまうこともある。

片岡義男をご存知だろうか。
40歳以上であれば、若いころ読んだことがある人も多いだろう。
角川文庫コーナーの一段が、彼の真っ赤な背表紙で占められていたことを、多くの人がイメージできるのではないか。

私はこの数年片岡義男という作家を再発見し、こつこつ古書店で探しては読んでいる。
80年代においては大変な人気作家であったが、今その頃の本を入手することは思うほど簡単ではない。
なぜか?
売れすぎたからである。
売れすぎたが故に中古市場にはたくさんでものがあるのだろう。
出物の割に売れ行きはおそらく悪いのではないか。
残念ながら。
そのため古書価値は低く、その結果店頭にはあまり並ばない。
なので入手はいくぶん困難だが安価である。

大好きな作家が、一般にあまり評価されていないと感じるのはさみしい。
そういえば流行ったよね、みたいな反応も悲しい。
過去の流行作家として読まないなら、あまりにもったいない。

片岡さんという人は言ってみれば、村上さんの十年以上前にそういうアメリカン・ウェイ・オブ・ライフを実践していて、たぶん反発はもっと強かったと思うんです。片岡さんの評論を最近大学のゼミで読んでいるんですが、片岡さんはアメリカと日本、それから英語と日本語に関する評論をずっと書いていて、今になってやっと片岡さんが小説でやろうとした気持ちが理解できたような気がします。当時僕たちは風俗として読んで「こんな風俗あり得ない、何キザなこと言ってるんだい」って思たわけです。でも60年代だから、70年代よりさらに湿気た日本の風土の中で、翻訳に近い言葉で小説を書くというのはすごく戦闘的な態度だったと思うんです。サブカルチャーに信頼を置いた、きわめてアンダーグラウンドなものだった。でもそうは読まれなかった。マスカルチャーの方で映画とタイアップとか角川商法に乗る形で消費されたことで、ある意味早すぎたのかなっていう一面があったと思うんです。彼はアメリカは何かというと「言葉」だと言ってるんです。つまりアメリカは言葉の国で、まず最初にフリーダムという誰も説明できない言葉がある。アメリカはまず言葉という概念からはじまって成り立っている国だと言うんだけど、その通りだと思うんです。ある意味転倒しているそういう形の国があって、でも日本でも別の意味での言霊(ことだま)の国だから、違った種類の言葉に依ってできている国がくろすしたことの悲劇みたいなことがあったと彼は主張していたんですね。


これは、翻訳家柴田元幸との対談における高橋源一郎の発言である。
「片岡さん」とは片岡義男であり、「村上さん」とは村上春樹である。
この文章を読んだときは嬉しかった。
私は、村上春樹は直接的あるいは間接的に片岡義男の影響を受けているのではないか、と考えてきたのだ。
そんなことを論じている人をあまり知らなかった。

そう、片岡義男は大変重要な作家なのである。



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暮らしの手帖 09:49


これは あなたの手帖です
いろいろのことが ここには書きつけてある
この中の どれか 一つ二つは
すぐ今日 あなたの暮しに役立ち
せめて どれか もう一つ二つは
すぐには役に立たないように見えても
やがて こころの底ふかく沈んで
いつか あなたの暮し方を変えてしまう
そんなふうな
これは あなたの暮らしの手帖です


雑誌「暮らしの手帖」を拾ってきた。
古紙回収のため道ばたに積み上げられていた。
手に取って見ると1950年代後半から60年代前半のものだった。
13冊あった。

冒頭の言葉は、すべての号の表紙裏側に書き付けられており、現在進行形で今も引き継がれている。
いわば「暮らしの手帖宣言」である。
こんな心意気が、今もこの雑誌の編集部に正しく生きているのか、は知る由もない。
ただ、この心意気が今も生きているとしたら、なんて素晴らしいことだろうと思う。

拾ったものでもあり、けっして保存状態は良くないのだが、表紙の美しさはもちろん、紙面の1ページごと神経細やかにデザインされていることに驚く。
写真のクオリティ、トリミング、レイアウト、そして花森安治の描き文字。
そしてもちろん記事である。
58年刊行の44号には「電気の買い方」という特集がある。
高度成長前夜、電気需要が高まっていたであろうこの頃に、電気はいかに作られ、どのように家庭に届き、どのように値段が付けられているか。
そして「電気機器を買うことは一っしょに電気も買うときことです」と、機器の消費電力について考えをうながしていく。
その後、暮らしの手帖の売りであった、商品テストに紙面はつながっていく。

ここでいまいちど「暮らしの手帖宣言」を読んでみるとこの雑誌の姿勢が実感できる。


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