MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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"bread, butter, and champagne" 21:18

チェット・ベイカーは儚い。
その生き様は本当に切ない。
トランペットの音色は蒼く透明で僕らの耳にまっすぐ響く。
消え入りそうな唄声はゆっくりと僕らの耳に余韻を残す。

そうとう困った人なんだろうと思う。
危なっかしくて身勝手で寂しがりやでそのくせ魅力的。
トランペットを持ってステージに上がれば最高に輝いていた。
カメラの前に立てば最高にイカした伊達男だった。

このジャケット写真、ブルース・ウェーバーの撮ったポートレイトが晩年の彼の人生を伝えてくれる。
皺だらけの眼差しは眩しそうにこちらを覗いている。
何かを伝えようとしているのだけれど、その想いは言葉にならないまま消えてしまった。

生前最後の録音ともいわれるこの「Let's Get Lost [Soundtrack]」は彼の傑作といって差し支えないアルバムだ。
トランペットは驚く程に透明さを増している。
ぼそぼそとつぶやくような、消え入りそうなヴォーカルはゆっくりと心に染み入る。
春の雨のように、気が付けばしっとり僕らを濡らしている。

過去の Let's Get Lost の記事はこちらからどうぞ






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| CHET BAKER | comments(2) | trackbacks(4) | posted by mono-mono
初夏に聴く1枚・CHET BAKER BIG BAND 21:49

このレコードの評判がどの程度のものか私は知りませんが、ジャズ本などでも紹介されることの少ない1枚なのではないかと想像します。
ウェストコーストの名手たち(アート・ペッパー、ビル・パーキンス、バド・シャンク、フランク・ソロリーノなど)を集めた割には、いい意味でも悪い意味でも(かな?)全体にユルいレコードです。
しかし、緊張感あふれる名演奏の有名盤のみを人は聴くのではありませんよね。
ある種のユルさがあるからこそ愛聴されるレコードというのもたくさんあるのです。

この「CHET BAKER BIG BAND」は、今日のような初夏の晴れた午前中に心地良い風を感じながら聴くのに非常に適したレコードです。
いいんだなァ、これが。
気持ちよすぎて、うとうとっときてしまうほどです(笑)
屋上のウッドデッキでパラソルを広げて、ハートランドビールをグラスに注いで聴いているなんて絵が浮かびます。
お昼は上手いサンドイッチかハンバーガーがいいなァ、なんて思ったりして。
北のほうには新宿副都心が、西にはレインボーブリッジ。
いいなァ、屋上。
いいなァ、ウッドデッキ。
どちらもわが家にはありませんので、あくまでイメージってことで。
新宿副都心もレインボーブリッジも家から見える訳がないって(笑)
でも、きっと代官山アドレスならこんな風に見えるんじゃないかな?と思って(笑)

中でも「WORRYING THE LIFE OUT OF ME」が素晴らしい。
ストレートなメロディ。
ノンビブラートのクールな音色。
ここでの演奏には、チェット・ベイカーの心意気、潔さみたいなものがよく出ているように思います。
ストレイトでヴィヴィッドな潔さとでも言いいましょうか。
技巧的な訳でも、情感豊かな訳でもなく、ひたむきにフレーズを重ねていくのです。
ここにある乾いた音色はまっすぐに響き、それでいてどこか物悲しい。
これが彼の最良のプレイだなんて決していいませんが、どこかしら私には引きつけられる演奏なのです。

その後の彼の人生を想う。
彼の輝いた時代から、麻薬がらみのトラブル、不遇の時代をへて復活した70年代。
まっすぐに生きられなかったというべきなのか。
まっすぐに生きたからこその人生というべきなのか。

彼の人生を想うとき、それは彼の孤独を想うことなのかもしれません。
気持ち良い6月の風を感じながら、このレコードを聴いて、うとうとしながらそんなことを考えておりました。
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| CHET BAKER | comments(8) | trackbacks(33) | posted by mono-mono
Let's Get Lost 14:45

チェット・ベイカーの自伝的ドキュメント映画「Let's Get Lost」をご存知ですか?
最晩年の彼を記録した壮絶なインタビュー、50年代に出演した映画など貴重な映像が満載。
数多くの関係者の証言もみることができますが、必ずしも肯定的な証言ばかりでないところがリアル。
もっとも一番リアルなのはチェット・ベイカー自身なのですが。
情けない姿も含めて俺のすべてをとってくれよ、みたいなことをいうのです。
薬やってるところも俺なんだぜ、みたいな。

この映画の完成を待たずにチェットはオランダ・アムステルダムで謎の死をとげた。
その後、まもなく公開されると大きな反響を呼び,アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされた。
ここに描かれたチェット・ベイカーを伝説のトランペットプレイヤーと見るか、単なるどうしようもないジャンキーと見るか、それぞれでしょうけれど、基調となっている端正な映像はクールな愛情で彼を捉えています。
これはチェット・ベイカーうんぬんを抜きにしても、ドキュメント映画として非常に素晴らしいので機会があれば是非ご覧になってください。
とはいえ、現在DVDにもなっていないようなので、古いヴィデオをレンタル屋さんで探すしかない。
実は私もまた見たいんですが見れないという(笑)

監督は、ブルース・ウェーバー
カルバン・クラインやラルフ・ローレンのキャンペーンシリーズで有名なファッションフォトグラファー。
その名前を知らなくても、彼のモノクロームなポートレイトは誰もが一度は見たことがあるはず。

ブルース・ウェーバーは、自分の作品は自分で編集・デザインするという完璧主義者。
彼の写真集は初版のみで基本的に増刷はかけないことで有名。
そのため、発売と同時にコレクターズ・アイテムとなってしまうのです。
うちにも「GENTLE GIANTS」など数冊ありますが、あれも買っとけばよかった! なんて本は多いです。
洋書屋さん大好きなので、発売当時平積みになってるの見てて、今やこんな値段! 
なんてことに(泣)

今回の写真は、「Let's Get Lost」のオリジナル・ポスターです。
くしゃくしゃに見えるのはあくまでもデザイン(笑)
チェットが長年持っていたボロボロのポートレイト写真、というような設定なのかなァと思っていますが、どうかな?
公開当時、8種類くらいバリエーションが製作されているようですが、基本的にどれも初版しか存在していないらしく、それぞれ貴重なものだそうです。
ちなみにもう1種持ってます。いいでしょ。
何気にコンプリート目指してますんで(笑)
昨年夏、青山でブルース・ウェーバーの展覧会が企画され、会場でオリジナルプリントなどに混ざってこのポスターも売られていたらしいのですが、なんとン万円だったそう!?

しかし、カッコいいポスターではありませんか?
単にウィリアム・クラクストンのポートレイトじゃんっいわれれば反論の余地はありません。
なにげないけど見事なタイポグラフィ。
文字の水色がいい色してるんです。
こんな風にはなかなかできないものなんですよ。
せっかくだからリプリントして発売すればいいと思うのですが。
それもこれも、Let's Get LostがDVDになっていないことも、ブルースの完璧主義と関係があるのかもしれません。
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| CHET BAKER | comments(2) | trackbacks(38) | posted by mono-mono
CHET BAKER SINGS の大、中、小 10:14

なにしろ彼のヴォーカルにノックアウトされたのですよ。
CHET BAKER SINGS。
とにかく気に入ってしまい、国内盤で長らく聴き込んでいました。

中性的とも評されるCHETのヴォーカルは、人によって好き嫌いがあると思いますが、私にはズバリ、ストライクだった訳です。
ボサ・ノヴァの父、ジョアン・ジルベルトにも大いに影響を与えたそうですが、ぼそぼそとささやくようなスタイルはジャズボーカルの世界にあってかなり異色ではあります。
彼のルックスもあいまって、当時ジャズファンとともに婦女子に人気があったという噂もあながち作り話ではないように思えます。

村上春樹氏がなにかでCHET BAKER SINGS について「これほどオリジナルと音の違うレコードもなかなかない。国内盤には変なエコーがかっている」というようなことを書いていたのです。
彼の奥さんも「確かにずいぶん違うのねェ」といったらしい。
そういわれてはオリジナル盤を聴いてみないわけにはいかないですよね。

そんなふうにしてCHET BAKER SINGS のオリジナル盤を探し始めてみると、まず54年に10インチ盤8曲入りでリリースされ、それに4曲を追加し56年にLPがリリースされたのだそう。
そして、オリジナル10インチ盤8曲は、7インチEP2枚組としてもリリースされていたということが判明!

さあ困った。
全部ほしいじゃないかッ(笑)

いよいよ大変なことになってしまったという訳ですね(笑)
それからこつこつ(?)集めて、この度3枚が揃ったという訳です。
そのレコード、持っていなかった? と妻に尋ねられても、いやァ、とかなんとかいいながらがんばりました。

  やったァ〜。

そして、これが一つの区切りではありますが、今後はそれぞれのコンディションを上げていこうと気持ちも新たに励む所存であります!(笑)

このレコードの中でも「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」が特に好きです。
数えきれないシンガーが取り上げているスタンダードでありながら、どこかダークで不思議なムードの曲ですね。
チェットのバージョンはテンポもぐっと落としてあって、退廃的というか虚無的というか、ある意味極端な仕上がりです。
その中でも、曲のおわり「ステ〜イ」がふっとオフ・マイクになるところなんか、タマランです。
スタジオで唄うチェットが視覚的に浮かんでくるこの曲のハイライト。
最初にオリジナル盤を手に入れた一時期、こればかり聴いていたら妻に厭がられました(笑)

そういえば、このレコードにはステレオ盤が存在するのですが、微妙じゃないですか。
どうしようかなァ(笑)
ここまできたら持ってたほうがいいですよね。

「I FALL IN LOVE TOO EASY」での彼のぶっきらぼうなくらいまっすぐなトランペットの音色を聴いていたら、インストアルバムも聴きたくなってきた。



YouTubeでこんな素敵な、若かりし日のふき語り(?)ヴィデオを発見。
Chet はフリューゲルホーン吹いてます! 是非どうぞ!!
レコードよりもぐっとテンポを落としたソフトな Time after time がご覧頂けますよ。





しかし、最近のトラックバックスパムは凄まじい。
記事をアップすると凄い勢いでダダダっとくるのです。
という訳で、賢明な皆様は無視してください。
削除したりするとまた大変なんでそのままです。
ご理解くださいませ。
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VAN GELDERの国内盤! 09:00

RUDY VAN GELDERをご存知でしょうか?
熱心なジャズファンなら知ってるかな?
まあ、一般的には「それって何の楽器の人?」と聞くでしょうか。

この人、プレイヤーではありません。
レコーディングエンジニア、つまり録音技師なんです。
50年代後半からブルーノートをはじめ様々なレーベルで数多くの録音を手掛けています。
きっとジャズかじってる人ならどこかでこの人の録音にはお世話になってるはず。

この人、録音はもちろんレコードの原盤製作まで手掛けていました。
彼がカッティングをしたレコードは、盤を見ただけで彼の仕事ということが分かるようになってるんです。
レコードの内周のところに、手書きだったり、活字の刻印だったりしますが自分のサインをいれているからです。
彼が録音したレコードでも、この刻印のあるなしで、レコードの値段が結構違場合もあります。
何気なく買ったレコードに刻印が入ってると「アタリ!」ってカンジですね。

で、写真のレコード、刻印が入っているのが分かるでしょうか?
左には、活字で「VAN GELDER」、右に手書きの「RVG」。
これ1枚のレコードに入ってると聞けば「ナニ!?」となるジャズ者が多数いるのではないでしょうか。
しかも日本盤だときいたら、いよいよ身をのりだしてくる方もいるのでは。

これ、CHET BAKERのCTI盤「She Was Too Good To Me」。
キングレコードが発売した国内盤なのですけれど、どういうわけなのかなァ。
通常、日本盤は国内のカッティングエンジニアが原盤を製作しレコードをプレスているのだと思いますが、これに限っては、原盤自体を持ち込んでプレスしたようですね。
こういうレコードはこの頃('75)には良くあったことなのでしょうか?
付属の解説読んでも全くそのことには触れてません。
帯には何か書いてあったのかな。
紛失していて分かりません。
この辺ご存知の方は是非とも情報をお寄せ下さい。
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