なにしろ彼のヴォーカルにノックアウトされたのですよ。
CHET BAKER SINGS。
とにかく気に入ってしまい、国内盤で長らく聴き込んでいました。
中性的とも評されるCHETのヴォーカルは、人によって好き嫌いがあると思いますが、私にはズバリ、ストライクだった訳です。
ボサ・ノヴァの父、ジョアン・ジルベルトにも大いに影響を与えたそうですが、ぼそぼそとささやくようなスタイルはジャズボーカルの世界にあってかなり異色ではあります。
彼のルックスもあいまって、当時ジャズファンとともに婦女子に人気があったという噂もあながち作り話ではないように思えます。
村上春樹氏がなにかでCHET BAKER SINGS について「これほどオリジナルと音の違うレコードもなかなかない。国内盤には変なエコーがかっている」というようなことを書いていたのです。
彼の奥さんも「確かにずいぶん違うのねェ」といったらしい。
そういわれてはオリジナル盤を聴いてみないわけにはいかないですよね。
そんなふうにしてCHET BAKER SINGS のオリジナル盤を探し始めてみると、まず54年に10インチ盤8曲入りでリリースされ、それに4曲を追加し56年にLPがリリースされたのだそう。
そして、オリジナル10インチ盤8曲は、7インチEP2枚組としてもリリースされていたということが判明!
さあ困った。
全部ほしいじゃないかッ(笑)
いよいよ大変なことになってしまったという訳ですね(笑)
それからこつこつ(?)集めて、この度3枚が揃ったという訳です。
そのレコード、持っていなかった? と妻に尋ねられても、いやァ、とかなんとかいいながらがんばりました。
やったァ〜。
そして、これが一つの区切りではありますが、今後はそれぞれのコンディションを上げていこうと気持ちも新たに励む所存であります!(笑)
このレコードの中でも「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」が特に好きです。
数えきれないシンガーが取り上げているスタンダードでありながら、どこかダークで不思議なムードの曲ですね。
チェットのバージョンはテンポもぐっと落としてあって、退廃的というか虚無的というか、ある意味極端な仕上がりです。
その中でも、曲のおわり「ステ〜イ」がふっとオフ・マイクになるところなんか、タマランです。
スタジオで唄うチェットが視覚的に浮かんでくるこの曲のハイライト。
最初にオリジナル盤を手に入れた一時期、こればかり聴いていたら妻に厭がられました(笑)
そういえば、このレコードにはステレオ盤が存在するのですが、微妙じゃないですか。
どうしようかなァ(笑)
ここまできたら持ってたほうがいいですよね。
「I FALL IN LOVE TOO EASY」での彼のぶっきらぼうなくらいまっすぐなトランペットの音色を聴いていたら、インストアルバムも聴きたくなってきた。
YouTubeでこんな素敵な、若かりし日のふき語り(?)ヴィデオを発見。
Chet はフリューゲルホーン吹いてます! 是非どうぞ!!
レコードよりもぐっとテンポを落としたソフトな Time after time がご覧頂けますよ。
しかし、最近のトラックバックスパムは凄まじい。
記事をアップすると凄い勢いでダダダっとくるのです。
という訳で、賢明な皆様は無視してください。
削除したりするとまた大変なんでそのままです。
ご理解くださいませ。