誰も言わないのか、誰も思っていないのか、あるいは気付いてないのか、言ってるけど私が知らないだけなのか。
誰も言わないのなら、思い切って私が言ってしまおう。
あなたがこれを読んで的外れだと思うならそれで良い。
国内盤2枚組ボックスを買った私の考えをここに記す。
こんな「SMiLE」に不満は無いのか?
まずはシールのこと。
アマゾンから届いたモノにはなぜか、シュリンク上についてるはずのシールが無い。
どうしてだろう?
いくつかのブログで見る限り、黄色地に英文の書かれたシールがついてるはずではないのか?
また、水色に白文字の日本語のシールがついてるはずではないのか?
張り忘れられたのか??
あるいは輸入盤を国内で販売するときのみこの仕様なのか?
大問題である。
ジャケットの上に記された「NEW IMPROVED FULL DIMENTIONAL SOUND」の文字はどうだ。
これは当時準備されていた、オリジナルのジャケットを正しく踏襲しているのだろうか。
私の持ってるブートでは「NEW IMPROVED FULL DIMENTIONAL STEREO」と書いてある。
最後の単語は、「SOUND」と「STEREO」どちらが正しいのだろうか。
そもそもフォントもまったく異なっている。
また、今回のCDでは「NEW IMPROVED」の部分のみ青文字になっている。
この違いは何なのだろうか。
きちんと検証されてこのようになっているのか?
はたまた、担当デザイナーがこうした、というだけの結果なのだろうか。
この点大いに疑問と不満が残る。
今回収録内容は基本的にモノラルであり、それゆえ「STEREO」表記はやめたということももちろん予想できる。
しかし、しかし…。
担当デザイナーといえば、ボックスの裏側とブックレットの表紙に描かれた「SMiLE」の文字について。
これはいただけない。
オリジナルジャケットに描かれた文字のシルエットをアレンジつまり加工して使っているのだ。
これこそ担当デザイナーが勝手に作っている。
そしてポスター。
ジャケットをそのまま拡大すればいいのに、グループ名とタイトルを拡大している。
これらを好意的に評価する人もいるのだろうけれど、私にはまったくいただけない加工だ。
なぜならこれは「SMiLE」なのだ。
あの「SMiLE」を世に出すのだから、制作するには元の作品に対する理解と敬意が不可欠である。
オリジナルを加工することなく再現してもらわなければ困る。
デザイナーがアイディアを出すことはもちろん仕事ではある。
レコード会社の制作責任者はデザイナーのアイディアを取捨選択して、ダメなところはダメときっちり仕切らなければいけない。
「君の考えも分からないではないが、なにしろこれはSMiLEプロジェクトなんだからね」と。
このような重要な作品がデザインディレクションによっていくらかでも損なわれてしまったとするならば残念でならない。
音楽は、もちろんあの「SMiLE」である。
これまでも、さまざまなところで断片的に聴いてきたあの「SMiLE」である。
ついに1枚のアルバムとして、ブライアンが作っていた当時の姿を現したのは感慨深い。
しかし一方で、ブライアン再録音盤「SMiLE」の時ほど私は盛り上がらなかった。
私にはあれがピークだった。
もちろんこれはまったくの私見である。
伝説の傑作は伝説のままだったほうが良いのではないかと思う。
皆の頭の中にのみ存在する幻のアルバムとしての「SMiLE」。
一人ひとりに1枚の「SMiLE」があった。
完成形がないのだから、イメージは無限に広がる。
このように一旦の完成形をしめされた瞬間、イメージは限定された。
今回はモノバージョンのみの収録である。
ステレオバージョンは?
もともとステレオで制作していたのではないのか?
オリジナルマルチトラックテープは限定的にしか存在しないということなのか。
没になった作品ということを考えれば仕方のないことだろう。
多くは失われてしまったのだろうか。
ペットサウンズセッションズのようなヴォーカルトラックのみバージョンも楽しみにしていたのだが、無理だったのだろうか。
つまり今後ステレオバージョンがリリースされる可能性は?
だとすれば、まだスマイルは完結していないのか?
この辺りにはそこはかとなく商売の匂いが…(笑)。