MONOmonologueモノ(物→コレクション)とMONO(モノラルサウンド→レコード)をこよなく愛するオヤジの徒然日記。

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コクナイバンオビツキ 21:10

私がレコードを買い出したのは中学生のころ。
およそ30年前のことだ。
CDが登場する少し前で、レコードが音楽メディアの王様だった。
レコードが欲しくても、おこずかいで暮らす中学生には、月1枚2枚のレコードを買うのがやっとだった。
買うレコードは「国内盤」だった。
国内盤とは、日本製のレコードということだ。
国内盤のジャケットにかならず宣伝文句の印刷された帯がかけてあった。
私にとって音楽とは、洋楽のことだった。
洋楽の国内盤レコードには、解説と歌詞カードが封入されていた。
歌詞カードには原語と日本語訳が併記されていた。
帯、解説、歌詞カードはとても貴重な情報源だった。
今のように、なんでもネット検索できて音源・映像がすぐに手に入る時代ではなかった。
数文字程度の情報を入手するため、数センチ角の写真を入手するために雑誌を必死でチェックする、そんな時代だった。

ほどなく中古盤屋の存在を知り、新品より安いことになにより魅力を感じた。
中古盤の価格は、定価の2/3くらいだった。
中古盤屋では、輸入盤も扱っていた。
国内盤輸入盤どちらの中古盤もあったが、欲しいのはだんぜん国内盤だった。
いまでこそ「オリジナル盤(アーティストの本国で最初にプレスされたレコード。アメリカ人アーティストの場合にはアメリカ盤がオリジナル)」などと騒いでいるが、私にとって長らく中古の国内盤がターゲットだった。
輸入中古盤は値段が安いのだけれど、しかたなく買う、というかんじだった。
「今日は持ち合わせが少ないし、目ぼしいレコードもないから、これでいっか」というような。
その頃の輸入盤といえば、ジャケットの紙質も悪いしレコード盤もぺらぺらで安っぽかった。
帯も無いし、解説も無い。
歌詞カードはたまについていたが、対訳はぜったいに無い。

オリジナル盤を昔は「廃盤」といったものだが高値の華だった。
東京に来るまで廃盤なんてまったく知らなかった。
ディスクユニオンなどの壁に飾ってある廃盤にはビックリするような値段が付いていた。
それらはあくまで見るためだけのものだった。

廃盤専門店というのもあって、その手の店はとにかく敷居が高かった。
渋谷の「JARO」とか入るのも怖くて。
ここ、レコスケ君の「鬼瓦レコード」のモデルの店である。
20代の頃、勇気をふり絞り細い階段をおりて店に入ってみた。
店は信じられないくらい狭く、そこにぎっしり貴重なレコードがつまっていた。
入るとすぐに「どんなレコード探してるの?」とおやじさんに声をかけられた。
思ってもみない展開に「ええっと…」と言葉に詰まってしまった。
こんな風に話しかけられるなんて想像していなかったのだ。
試されている!とも感じた。
やっとのことで思いついたタイトルは「スタンゲッツ/ウェストコーストジャズ」だった。
おやじさんが棚から数枚抜いてきたのは、オリジナルとセカンドプレスで、セカンドでも2万円超えていた。
ビックリして目を丸くしていたのだろう、「これでも良心的な値段だと思うよ」とかなんとか言われたけれど、すごすごと逃げ出してしまった。

良い思い出、ではある。

今でも「JARO」の前を通ると、そんなことを思い出す。
つぶれる廃盤店が多い昨今、店が存在しているだけでとホッとするのだが、店中には決して入らない(笑)

閑話休題。

写真はこの間みつけたライ・クーダーの「ブーマーズ・ストーリー」。
見事なコンディションの帯が付いた国内盤初回盤だった。
帯の緑色が昭和40〜50年代ワーナー国内盤の特徴であろう。
「流れ者の物語」なんてつけられた日本語タイトルや小倉エージさんの解説が嬉しいのである。
素敵じゃないか。
嬉しくなってしまった。
近頃は輸入盤を優先していたのだが、かつて自分が国内盤を探していたころの記憶がよみがえってきた。
私がレコードを買いだしたのは、このレコードの発売より10年くらいあとのことではあるが。

当時、中古盤屋の値札につけられた「国内盤帯付き」という文句はなによりの殺し文句だった。





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モダン・フォーク・カルテット 09:10

モダンという言葉は、母がよく使っていた。
モダンで素敵ね、とか、モダンなデザインね、などという風に。
母がモダンという言葉を使うのは、古いモノをほめるときと決まっていたから、てっきり時代遅れのデザインが「モダン」なのかと勘違いしていた。

英単語として「モダン」の意味を知った時には驚いた。
「モダン」が「現代の、最新の」という意味だって??
そこでようやく母の言う「モダン」の意味が分かったのだ。
「モダン」とは、当時にして時代を先取りしていたデザインのモノをほめていたのだと。

モダン・フォーク・カルテットのレコードを手にいれた。
USオリジナルモノラル盤である。

THE MODERN FOLK QUARTET (WARNER BROS. RECORDS W1511)

フォーフレッシュメンばりのコーラスワークで、カントリー、フォークを歌う4人組である。
実に「モダン」にして都会的なアコースティックグループなのだ。
とはいえ、私が生まれる前のレコードであり、決して今風ではない。
ただ、この音楽は古くさいか?と問われたら、極めて新鮮な音楽であると答える。
モダン・フォーク・カルテットの新鮮さは、決して色褪せることはない、と。

こんなに素敵なレコードが、渋谷HMVのジャズコーナーに安価で放り込まれていた。
グループ名から、モダン・ジャズ・カルテットの劣化コピーとでも思われたのだろうか?
もちろん、欲しがる人が少ないから、と言われればそれまでではある。
が、並べるのはジャズのコーナーでないだろう(笑)。




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私がこのレコードを買った理由 09:11

私がこのレコードを買った理由をお話ししよう思います。
今回買った「JOHN SIMON'S ALBUM」のことです。
このレコードの存在をいつ知ったのか、思い出せません。
かなり前なことは確かです。
私が大学生のころ?
20代半ばころ?
軽く20年はたっていることでしょう。

「ロックの名盤」といった、雑誌の特集で知ったのだと思います。
ジャケット写真が紹介され、タイトルや曲順が記され、内容がざっと語られる、といったよくある中の1枚でした。
「ジョン・サイモン」という名前はその時はじめて聞きました。
「ザ・バンドのプロデューサー」と書かれていました。
20代前半だった私は、ザ・バンドのことですら、きちんと聴いたことのない頃でした。

アルバムの紹介文をきちんと覚えているわけではありません。
難解なアルバム、と思わせる内容だったと記憶しています。
フリージャズに通じるような実験的で訳の分からないレコードなんだろうな、と感じたのです。
ジャケット写真からも、とっつきにくさを感じました。
一方で、分かる人には分かる、高度に知性のある人に選ばれるレコードという風にも感じました。
このレコードが分かれば一人前とでもいうような、試される1枚というような。
いつか機会があれば聴いてみよう、程度にこのレコードのことを記憶したのです。

気が付けば、それからずいぶんがたちました。

この20年ほどの間に、なんどかこのレコードを見かけてはスルーしてきました。
なので今回、このタイミングで購入することになったのは、不思議なものです。
いつでも見かけるほど、ありふれたレコードではありせん。
ただ、決して高価なレコード、ということもありません。
でも、これまで買おうと思ったことはありませんでした。
見かけても「JOHN SIMON'S ALBUMがあるな」と思う程度だったのです。
あ、あの難しいあれね、みたいに。

今回買うことになった最大の理由は、その日他に目ぼしいレコードが無かったこと、でしょうか。
積極的にこのレコードを買おうと思っていたのではない、ということです。
他に欲しいレコードが1枚でもあれば買うことはなかったと思います。
目ぼしいレコードが無かったが故に、きまぐれに手にしたのです。
ジャケットを眺めていたらUS盤であることに気付きました。
それまで私が見かけた「JOHN SIMON'S ALBUM」は、国内盤ばかりでした。
当時はそれなりに売れたのでしょうか。
分かりません。

検盤してみると盤の状態も良好でした。
オリジナルレーベルで値段もお手頃でした。
日焼けや痛みなどが出やすいザラ紙ジャケットのコンディションも悪くありません。
そうこうしていると、買わない理由が見つからなくなってしまいました。

レコードを買わない人にはわからないかもしれませんが、この程度に興味のあるレコードはいくらでもあるのです。
ジャケットを知っていて聴いてみようかな、というものは星の数ほどあります。
その多くは、見かけても買いません。
見かけるそのたびに「また今度機会があれば」と思いスルーされ、その機会は滅多に来ないのです。
より積極的に欲しいレコードが大抵の場合見つかるからです。

買っておいて何ですが、このレコードの内容についてあまり期待していなかったのです。
前衛的で抽象的な音楽を想像していたからです。
聴いてみたら、想像とはちょっと違っていました。
たしかに変わった音楽ではあります。
決して難解な音楽ではありませんでした。
フリージャズ的ではまったくありません。
言うならば、サイケデリックで可愛らしい音楽、でした。
そして、この時代のサイケデリック音楽の多くがそうであるように、リズム&ブルースを基調としています。
その点はとても分かりやすい音楽である、と言えます。
インストアルバムとも想像していましたが、そうではありませんでした。
意外や、唄ものでした。
眉間に皺を寄せて聴くレコードかと思いきや、のんびり楽しめるレコードでした。
素人っぽいヴォーカルに中毒性があるというか、ピアノの音が素敵です。
不思議と何度も繰り返し聴きたくなるレコードなのです。
なるほどこんなレコードだったのか、と驚きました。
ジャケットのイラストも、初めてフルサイズで見ました。
まじまじと眺めました。
水墨画の様式を西洋画のテクニックと解釈で表現した、とでも言うような、ちょっと面白いジャケットです。

しかしこの音楽を見開きジャケットでリリースしたレコード会社の気概が素晴らしいではありませんか。
良き時代の、良きレコードです。




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古さとは? 新しさとは? 11:05

かつては、「新しい音楽」が「新譜」とイコールだった。
私が十代だった80年代には、10年前の音楽は「古い音楽」だった。
数年前のヒット曲ですら「過去の音楽」だった。
「過去の音楽」を聴けば「ふるくさいなあ」と感じたものだ。
「過去の音楽」は、聴く価値が無いと思っていた。
当時は、ビートルズだってそうとう時代遅れに聴こえた。

CDという新しいメディアががでてきてレコードは過去のものになりつつあった。
ニューミュージック、ニューメディアと言われた時代である。
音楽に限らず、過去つまり「オールド」は「ニュー」に置き換えられるべき不要なものだった。
最先端の音楽は、それまでの音楽を古色蒼然とさせる仕掛けにみちた「商品」だった。
音色も、音質も、新旧の差は歴然としていた。
新しいことが絶対的に良いと思われていたし、新しくなければダメな時代だった。
この感覚はみなに共有されていた。
皆がそれを信じていた。
そのときはだれもそんな呼び方はしていなかったが、今その時代は「バブル」と呼ばれている。

そんなバブルの85年に私は高校生になった。
私は「古い音楽」に出会った。
パンクである。

ガツンときた。
はじめは、かなり昔の音楽を聴くような気がした。
当時にしてたかだか10年くらい前の音楽だったが、10年前が「はるか昔」を意味した時代だった。
でもパンクは私にとって新しかった。
当時のヒット曲には無い「何か」を感じた。
当時の「新しい音楽」よりも、私は「古い音楽」に魅力を感じたのだ。
私のまわりには「古い音楽」を聴く友人はほとんどいなかった。
その頃、中古レコード屋の存在を知った。
中古レコード屋に通ってなけなしの小遣いから月に1、2枚のレコードを買った。
新品のレコードを買うより安いのが嬉しかった。
廃盤になっていて新譜屋さんでは手に入らないレコードもあった。
「古い音楽」を古いレコードで買うことは、とても特別なことだった。
そんなレコードを売っている中古レコード屋も特別な存在だった。
中古レコードを買うことは、誰かに自慢したくなるようなことだった。
古い音楽を聴くことも、誰かに自慢したくなるようなことだった。
どんどん時代をさかのぼって音楽を聴くようになった。
ビートルズやストーンズの音楽が輝きだした。
それよりさらに「古い音楽」にで出会うのにも、さほど時間はかからなかった。

5月初めに私はこんなレコードを買った。
子どもの日があったから、ではないがピート・シーガーが歌う童謡集である。
そうだった、ピート・シーガーは今年の1月に亡くなったのだった、合掌。

  AMERICAN GAME AND ACTIVITY SONGS FOR CHILDREN
  sung by PETE SEEGER
  FOLKWAYS RECORDS (FC 7002)

これはアメリカのフォークウェイズレコードから62年にリリースされた10インチ盤。
フォークウェイズレコードというレコード会社は大変に丁寧な作りで有名だが、このレコードにもきっちり三つ折りの歌詞カードが付属している上に、ジャケットにはレコード盤と歌詞カードをおさめる仕切りがある。

少年少女がダンスしているラフスケッチ風ジャケットデザインにもひかれたのだが、家族に非常に不評で驚いた。
怖い、気持ち悪い、ビミョ〜とかさんざんな言われっぷり。
そうかなあ。

ピート・シーガーが自らのバンジョーやギターで弾き語る、くちぶえを吹く。
手拍子のみになったり唄だけになったりもする。
ときに足踏みだって聴こえる。
非常にシンプルなフォークソング集である。
あ、これ知ってる、という歌がでてくる。
例えば「YANKEE DOODLE」。
日本語の歌詞がついて、唄ったり聴いたことがある、良く知った歌だ。
チビ達がスマホをいじる手を止めて、「これって英語の歌だったんだ」とつぶやく。
ところでこの曲なんだっけ?
「アルプス一万尺だ!」
愉快である。

いまや古いも新しいも無い時代、といって良いのではないか。
たとえ作られた時代が古くても新しくても関係ない。
それを受け取る人にとって価値があるかないか、という問題なのだ。
あなたにとって「未知のもの」で、あなたにとって価値があれば、それは「新しいもの」なのだ。



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そして人生は続く(笑) 10:39

欲しいレコードが間の前にあらわれるとビックリする。
こっちは「どうせ無いんだろうけど」という気持ちでお店のレコード棚をチェックしているんだから。
すっと引き抜いたレコードのジャケットがまさに探し続けていたモノである場合、一気に血圧が上がる。
「ア!!」というか「オッ@・・・!」という感じ。
一瞬平静を失うのであるが、値札やそこにかかれているコンディションなどをチェックするうちに自分を取り戻す。
こちらのテンションが落ちないようなレコードはあまり無い。
買わずに見送ることがほとんどである。

しかし、「WAVE」はほんとうに見かけることの少ないレコードである。
国内盤ですらこのジャケットを見かけることがほとんど無いのはどうしてだろう?
以前やっとの思いで見つけたモノラル盤入手の顛末記「これはゴールではない」をアップしてから約1年。
その間もずっとステレオ盤探しは続いていたのである。

結論から申し上げると、今回もゴールではなかった。

USステレオ盤をやっと見つけたのであるが「VAN GELDER刻印」がA面のみであった。
そしてコンディション。
店頭で検盤したときの見た目は悪くなかった。
USモノ盤と国内ステレオ盤が手元にあるため聴き比べてしまう。
残念ながら、音が今イチなのである。
A面が劣化しているようで明らかに高音が出ていないのだ。
所有者がそちらばかり聴いていたのか、あるいは針が悪かったか、プレスされた次点でこの状態だったのかは確かめようがない。
それにしても残念である。

今回最大の収穫は「内袋」である。
上の写真の左右が裏表なのである。
この素朴でユニークにして生命観あふれる塑像に惹きつけられてしまった。
いやあ、素敵だ。



左から右へ USモノ盤 > USステレオ盤 > 国内ステレオ盤





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